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『リトルプリンス 星の王子さまと私』キャラクター


『リトルプリンス 星の王子さまと私』キャラクター監修:四角英孝氏インタビュー 「CGで繊細な表現にこだわる」

http://yukan-news.ameba.jp/20150711-114/

2015年07月11日 20時22分提供:アニメ!アニメ!

 
2015年、児童文学の名作『星の王子さま』が長編アニメーションとして登場する。『リトルプリンス 星の王子さまと私』と題し、国内では2015年11月に全国公開を予定だ。
最先端の3DCGによってアニメーション化される本作で、キャラクター表現の要を担うのが日本人スタッフでスーパーバイザーの四角英孝氏だ。これまでディズニー映画でCGスタッフとして活躍してきた四角氏は、とりわけ『塔の上のラプンツェル』における髪の表現が高い評価を得ている。
ディズニーを離れ、マーク監督のもと『星の王子さま』の映像化に挑戦した四角氏。本作のCG表現で何を目指したのか? 海外アニメーションの最前線で活躍してきたその目から日本のアニメーションの現状はどう映るのか? 話を聞いた。
[取材・構成=沖本茂義]

映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』
11月21日(土) 全国ロードショー
http://wwws.warnerbros.co.jp/littleprince/

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2015/07/14 16:49
■ キャラクターの繊細な動きにこだわる

―― 「キャラクター監修」を担当されていますが、具体的にどのようなことをやられたのでしょうか?

四角 
スーパーバイザーとして、CGパートのキャラクターに関することを全般的に監修しました。2次元で描かれたキャラクターデザインを3Dに起こすモデリングから、アニメーションとしてキャラクターを動かせる仕組みをつくったり。そのほか髪の毛や服など細かい動きをつけたり、色をつけたりもしました。

―― あらゆるプロセスに関わられたと。キャラクターづくりについて、監督からオーダーはありましたか?

四角 
ディズニーのように歌って踊ったりする映画ではないし、ドリームワークスが得意とするようなギャグ満載の映画でもない。そのぶん監督からは「繊細な表現にこだわりたい」という要求がありました。セリフなしでも目の動きだけでキャラクターの感情を伝えるレベルにしたい。そういう監督のこだわりがあったし、キャラクターに感情移入してもらいたかったので、技術的にいろんな工夫をしました。
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2015/07/14 16:49
―― 企画時、『星の王子さま』を3Dアニメーション化すると聞いてどう思われましたか?

四角 
最初にこの仕事のお話いただいたときは、やっぱり不可能だと思いました。70年間愛された本を新しくつくり変え、新たな解釈を加えてさらにそれをCGで表現するとなると、相当難しいだろうと。でも監督の話を聞くと、「原作の本は守る」「手を加えることはしない」という方針でした。
この映画で王子の物語は、少女・マッケンジーによるイメージとなっていて、それは全てストップモーションで描かれています。3DCGの現実世界とは意図的に区別されているわけです。原作の詩的な雰囲気はストップモーションの手づくり感で描き、一方、現実世界はCGのリアリスティックな表現で描く。その対比が面白いと思います。


―― フッテージ映像を拝見して、3DCGとストップモーション、ひとつの映画で違うアニメーションスタイルが描かれていて面白いなと思いました。

四角 
ストップモーションのアニメーションがあまりにも素晴らしかったので、お客さんに「戻してよ!」と思われたら嫌だな、と思いましたね(笑)。そのぶん僕らCGパートも努力を積み重ねました。キャラクターの細かい動きまで気を配りました。たとえば目の動きがそうです。人間の目ってすごく敏感で、その動きひとつでいろんな情報を読み取ることができるんですよ。監督から「この目の動き、2フレーム戻して」という非常に細かいオーダーもありました。

―― それはすごいですね。3DCGからストップモーションに切り替わるとき、違和感がなくとても自然でした。

四角 
そのあたりマークがこだわったところです。少女が読む絵本、その「紙」を上手いこと媒介にしたり、色合いをそろえることで違和感がないように工夫しました。
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2015/07/14 16:48
■ いつか2Dアニメのクリエイターと面白いものをつくりたい

―― 四角さんはこれまでディズニーでお仕事されていましたが、本作に参加された経緯は?

四角 
ディズニーの『シュガー・ラッシュ』の制作が終わって、次は『アナと雪の女王』の制作が迫っていたころ、何か新しいチャレンジをしたいなと思っていたんです。そんなとき、たまたま親友のフランス人のアニメーション監督からマークを紹介されて、「『星の王子さま』をCG化したいんだけど協力してくれないか?」と誘われたんです。
さきほども言いましたが、最初は不可能だと思って躊躇もありました。でもこれは自分に与えらた役割だと思って引き受けました。

―― CGアニメーションの最前線で活躍されてきた四角さんですが、CGアニメーションの現状や今後の課題をどうとらえていますか?

四角 
レンダリング技術の進歩は凄まじいですね。物体の質感や色合いの表現も洗練されてきて、コンピューター上にあたかも本物のようなオブジェクトをつくることも可能になってきた。ただ、それがリアリスティックになり過ぎると、キャラクターがすごく不気味に見えるんです。

―― いわゆる不気味の谷ですね。

四角 
まだ完全には克服できてなくて、それがいちばんの課題だと思います。どうすれば不気味の谷を乗り越え、観客の心に訴えるキャラクターをつくることができるのか。『リトルプリンス』ではそのあたりをかなり意識してつくりました。


―― キャラクターデザインに関して、少女とお母さんの目が大きく表現されています。デフォルメしたほうが受け入れやすいということですか?

四角 
それはありますね。ピクサーがなぜリアリスティックなキャラクターをやらないかというと、不気味の谷の存在を知っているからです。かつて『ファイナルファンタジー』(01)という究極にリアリスティックなCGアニメーション映画がありましたが、あの方向性でもう一度やって、違和感なく見せることができたらCGアニメーションのゴールだと思います。まだみんな恐くてやってませんけどね。
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2015/07/14 16:48
―― 海外アニメーションの最前線で活躍されてきた四角さんの目から、日本のアニメーションの現状はどう映っていますか?

四角 
日本のアニメ業界とは距離を感じるところですが、世界から称賛されているように日本の2Dアニメーションの表現は完成されているし、つくり手の才能もすごい。ただ、僕としてはやっぱりCGに可能性を感じる。いつか手描きの2Dアニメーションと3DCGを融合させて、面白いものをつくるのが僕の夢なんです。

―― それは是非みたいですね! 手を組んでみたいクリエイターはいますか?

四角 
そうですね……たとえばジブリのDNAを受け継ぐ米林宏昌さんとか。2Dの第一線で活躍されている方が「CGをやってみたい」ということがあれば、ぜひ一緒に挑戦したいです。そのときは応援してください(笑)。

―― もちろんです。それでは最後に改めて本作の見どころをお願いします。

四角 
各キャラクターの成長や感情の機微に注目してほしいですね。飛行士の老人と女の子、それにお母さん、3人が『星の王子さま』の物語を通じて成長していきます。お母さんは失ってしまった子どものころの想いを取り戻し、飛行士は閉じた心を解放していく。そのあたり自分と重ね合わせて共感できるものがあるはずです。   

映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』
11月21日(土) 全国ロードショー
http://wwws.warnerbros.co.jp/littleprince/



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