Nicotto Town



洋食とジャズがハマの昼下がりなのである


娘がくるという。家人とともに私をこき使うに違いない。逃げ出そう。
慌てて出たため傘もなく、カメラも持たず、金もなく。
よっし、今日のコンセプトはノンビリ歩きだ。

あれこれ見て回ったあと、普段は食べない昼飯なぞ食うか、という気になった。
各種ラーメン屋は興味がわかぬ、蕎麦屋も旨そうなとこがない、中華街遠い、寿司高い。
揚げ物も敬遠したいけど……そうか、よっし、洋食で行きましょう。

以前ご紹介しましたが、ハマの洋食ってのは決して万人受けする食い物ではない。
下町的な独特の風情と風味に何とも微妙なデミグラスソース、これがポイントである。
桃山、ミツワグリル、コトブキ、不二家、キムラ、センターグリル……ある意味大同小異。

しかし落ち着く味なのです、気取りゼロ、お値段少々高めかな。
今日は野毛にてセンターグリル本店、上ランチというヤツを食う。
チキンピカタ、エビフライ、スパ、ポテサラに千切りキャベツにトマトが供される。ただ食う。

腹は満たされた。さて、再開して数年経つ『ちぐさ』が近くにある。
吉田氏存命のころは怖くて怖くて、二回しか入ったことがなかった。
現在は誰でも気軽に入れる感じのお店ですね。客層は少々コアかしら。

でっかなスピーカーからそこそこのボリュームで流れるダンモ。
入った時にかかってたのはダルーで好みじゃなかったが、
次にターンテーブルに乗ったのはウエスの『フルハウス』! よしよし!

まあ、ドライブしまくるこのアルバム、ハーフノートと共によく聴いた。
CDも持ってるけど数年聴いてなかった。やっぱりLPだよねー、この音域は。
どこをどう切っても100%ジャズにしかならないウエスのフレーズはやはり壮絶。

宵闇迫るまで時間をつぶし、薄物纏ったオネーサンとお話しにいこうか……
あ、メール着信。なになに……米5kgと煎茶を買って帰ってこい、だと?
残念、次回にしよう。……そう思って早数十年。死ぬまで行けそうもない。

考えてみますと、こうした休日の過ごし方ってのは戦後の風俗なんでしょうな。
イカガワシサも愛する私としては、懐かしの成人映画館に入るか悩んだが、
ゲイムービー『相棒』ってポスターに大爆笑して諦めた。この手の映画の題名は秀逸だ。

夏を待つ都会の静けさって名文句がカルメンマキの曲にありますが、
雨の降りだしそうな蒸し暑い曇り空の下、ハマの昼下がりはイイ感じです。
どんよりとして、少々猥雑、若干の無秩序と喧騒。俺の街だ、って気がする瞬間。




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