Nicotto Town



虚弱バンドマンの古傷は梅雨にシクシク痛む。


ある方のコメントへの返信で、ライブで骨折した話を書いた。
梅雨が近づくと、身体の各部、いやいや全部の古傷が痛みますが、
数か所はバンドマン稼業での屈辱と後悔の負傷。少し思い出してみよう。

まず、私は過激パフォーマンスとは無縁な品行方正な男であることを明言しよう。
メンバーと暴力沙汰になったり、お客さんに暴力を振るったりしたことは皆無。
負傷は全て本番における自損事故によるものです。

右手指の数本にうっすら残る傷は時々シクシク痛み、ペンが持ちにくい。
ギターの弦がライブ中にグッサリ刺さった痕です。だいたいライブ後に気づく。
白いピックガードの半分が血で真っ赤だったことも。ウイルコジョンソンと勝負できる。

右腕の肘の下には、ライドシンバルのエッジで出来た7cmほどの切り傷痕。
曲のシメでオーバーアクションでドラムを勢いよく振り向いたとき、
ドラマーの叩いたライドシンバルが水平になった瞬間とカチあった。

左の足首が少々内輪に曲がっているのは私の癖。
客を煽るつもりで半身に構えたとき、ブーツの底が滑って捻挫。
これは格好悪い。その後、足を引きずりながら痛みに耐え、終演後タクシーで医者に。

薄くなった頭髪の中にも傷跡がある。
ギターソロ終盤、ギターに頭突きカマシたらペグ部分でグッサリやった。
バンダナ外したら血がベットリ、ダラーリ。対バンの女の子が真っ青に。

ところで、これらの傷と痛み、阿呆らしいですが私の『誇り』でもあります。
背広着て満員電車に揺られ通勤、人ごみに紛れ職場を移動する初老の勤め人。
そんな日常、これらの傷の痛みが、私の本来居るべき場所を教えてくれる気がする。

夕刻、各地で路上ライブの若者の前を通り過ぎる。みんな売れ線狙いに聴こえる。
おい若いの、俺の傷がグサグサ疼くくらいの『本当のオマエ』を演ってくんねーかな。
過去にも未来にもないその瞬間の『オマエ』を俺にぶつけてくれ。ツマンネーンだよ。




月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.