虚弱バンドマンの古傷は梅雨にシクシク痛む。
- カテゴリ:音楽
- 2015/05/30 08:36:18
ある方のコメントへの返信で、ライブで骨折した話を書いた。
梅雨が近づくと、身体の各部、いやいや全部の古傷が痛みますが、
数か所はバンドマン稼業での屈辱と後悔の負傷。少し思い出してみよう。
まず、私は過激パフォーマンスとは無縁な品行方正な男であることを明言しよう。
メンバーと暴力沙汰になったり、お客さんに暴力を振るったりしたことは皆無。
負傷は全て本番における自損事故によるものです。
右手指の数本にうっすら残る傷は時々シクシク痛み、ペンが持ちにくい。
ギターの弦がライブ中にグッサリ刺さった痕です。だいたいライブ後に気づく。
白いピックガードの半分が血で真っ赤だったことも。ウイルコジョンソンと勝負できる。
右腕の肘の下には、ライドシンバルのエッジで出来た7cmほどの切り傷痕。
曲のシメでオーバーアクションでドラムを勢いよく振り向いたとき、
ドラマーの叩いたライドシンバルが水平になった瞬間とカチあった。
左の足首が少々内輪に曲がっているのは私の癖。
客を煽るつもりで半身に構えたとき、ブーツの底が滑って捻挫。
これは格好悪い。その後、足を引きずりながら痛みに耐え、終演後タクシーで医者に。
薄くなった頭髪の中にも傷跡がある。
ギターソロ終盤、ギターに頭突きカマシたらペグ部分でグッサリやった。
バンダナ外したら血がベットリ、ダラーリ。対バンの女の子が真っ青に。
ところで、これらの傷と痛み、阿呆らしいですが私の『誇り』でもあります。
背広着て満員電車に揺られ通勤、人ごみに紛れ職場を移動する初老の勤め人。
そんな日常、これらの傷の痛みが、私の本来居るべき場所を教えてくれる気がする。
夕刻、各地で路上ライブの若者の前を通り過ぎる。みんな売れ線狙いに聴こえる。
おい若いの、俺の傷がグサグサ疼くくらいの『本当のオマエ』を演ってくんねーかな。
過去にも未来にもないその瞬間の『オマエ』を俺にぶつけてくれ。ツマンネーンだよ。