Nicotto Town


きいてニコタリーナ


ボカロに里帰りして思ったこととか

いえーいGW中に奇跡的にもらえたお休みでーす。

明日からまたロングの連勤だけどね。

これ幸いと全力でだらけているよ。

しばらく離れてたせいで浦島太郎状態の

ボカロやUTAU界隈をのんびり探ってみたりとかねー。

ポストミク、GUMIやIAのあとは誰かいるのかなーとか。

あ、波比くんは無事里子に出しました。

うっかり開封してお顔を見ちゃったりとか

(公式画像よりだいぶ濃いメイクだったよ……。

可愛かったら思いとどまれるかなと思ったのだけど)

あとまあマイナードールだし需要の問題とかもあって、

そんなにお金は戻って来なかった。

でも今月は金欠ぎみだったのでちょっとは足しになったかな。



さて、やることなくて暇なので、

こないだヤマハのボカロ公式サイトの一覧から

新しい子たちのデモソングを手当たりしだいに聴きまくった

(そしてついったに所感を垂れ流した)

あとでちょっと考えたことなどつらつら書いてみよう。

まとまるかな。


一つ、最近の子によくある、吐息成分などのノイズを除去しない

「自然な」女声ってボカロにすると皆同じように聞こえるんだよね。

少なくとも私の貧弱な聴覚では違いがほとんど分からない。

(声による個人識別とは、純粋な声質だけでなく

話し方の癖や表情などが支配する部分が大きいのだろうなあ)

二つ、なのに見た目のキャラデザだけ違う子たちが氾濫しすぎ。

なのでどこのメーカーさんも、いろんな付加価値つけたりイベントに参入したり

声質以外のところで勝負してる感を見た。

まあそれ自体は競争激化に伴うマーケティング戦略なので否定はしない。

(ボカロに限らず、歌手が売れるかどうかは

たくさんの曲をくれるよいPに恵まれるかどうか、にかなりかかってるし、

声がみんな似たようなものならまあ、キャラデザやイベントに凝るよね)

三つ、V3になってもV4になっても、いろいろ機能は増えてるんだろうし

音声データベースの作り方も進歩してるんだろうけど、

ボカロの歌唱レベルの進歩ってもう頭打ちだな、と思った。

(フリーソフトのUTAUが一時期あれだけ「リアル」に近づいたのに対して

元々ボカロは「機械らしさ」を大事にしながら進歩して来たとは思うけど)

そもそも、あれだけのじゃじゃ馬と言われたV2のリンレン、

いやそれ以前、V1のMEIKOやKAITOの時代から、

たぶん意欲のある人はどんどん工夫して実験して、

調教で滑舌を改善したりごまかしたり、表情をつけたりと

今は簡単にできるあれだけの機能も自力で実践してたのだ。

だからV4に「あまり進歩を感じない」となるのだろうな。

そのくらいの技術、昔から耳にしてましたけど? みたいな。

まあただ、古くからあるだけに性能の制限された子たちが

V3V4にどんどんリメイクされることにより、

そっちにも手を出してみようかな、と裾野が広がった感はあるよね。

(KAITOを完全にマイナーなネタキャラとして知った古い人間からすると

それだけでもだいぶ隔世の感がある)

つまり、例えば小説の世界において起きてきたようなこと

(小説を書くことが一部の知的階級の特権だった時代から

誰でも自分の作品を発信でき共有できる時代になり、

著作権、知的所有権などの意識が希薄化する)

と似たようなことが、日進月歩の技術革新に晒された

総ネット時代のボカロにおいては

たった十数年くらいの間に起こった、というか。

ボカロを扱う、ということの敷居が低くなり

DTM素人でも誰でもボカロ曲を作り共有することができる時代。

少なくとももう、ミクのような熱狂的に支持される一大アイコン

というようなボカロは出てこないんだろうな、淘汰も効かないほど多様化しすぎて。

なんでもそうだけど、流行、ムーブメントというものは蜘蛛の糸のように

「それが流行るのか」と知った人たちがどんどん群がりだすことによって

(そして「この世界は俺たちのものだ」と主張する古参と、新参との確執によって)

重みに耐えかね自壊するような最後を迎えてしまうものなのだろうか。

えーとつまり、久々にボカロUTAUに触れた私が感じたのは、

その文化が活き活きした成長の時代、円熟の時代を経て

そろそろ老衰しだすような、そんな哀しい気配でした。

いやボカロがオワコンだとかいう話じゃなくて。

ボカロの技術は、きっとずっと時代に合わせて続いていくのでしょう。

でも一時期私をあんなにも慰めてくれた、輝かしい世界は

もうかつての姿を留めていないのだな、と。

否、私の方が変わってしまったのかもしれないけれど。



淀みに浮かぶ泡沫なんて目じゃないくらい

何もかもがものすごいスピードで移ろいゆく情報化時代、か。

これからも私はたくさんの栄枯盛衰を目の当たりにするのだろうなあ。

寂しいなあ、なんてこんな感情も、いずれいちいち感じなくなるのだろうか。




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