個人書店を残す方策で頭を抱える。
- カテゴリ:小説/詩
- 2015/04/26 07:30:38
小さな本屋さん探訪、座り込んだ亀みたいに地味ですが続けております。
先日訪れた書店のご主人に昨日もお話を伺った。
県内の書店組合の加盟数はおよそ200とのこと。
このご主人は事務局を務めていらっしゃるので、大概の個人書店を御存じ。
〇〇駅のあたりなら……と話すと、あっという間に店名が出てくる。
私も好きだから入ったことのあるお店ばかり。消息を確かめ合う。
チェーン店や大型書店の業態を嘆く話も出る。
椅子置いて新刊本読み放題って、版元や作者をナメてるよねー。
喫茶店併設して飲食しながら新刊本読ませるとか、有り得ないだろ。
『書物』を消費財として扱うようになったせいだ、という話に転ずる。
先人や知識人の叡智のつまった貴重な文献、なんて考えるのはアナクロ。
雑誌や週刊誌も含め、本をゴミ箱に捨てるという行為は私にはできない。
苦労を続けながら先細り消えていく個人書店さん。
教科書取扱いのおかげでギリギリ食いつないでいる店が多いけど、
教科書電子化の波もあり、これも遅かれ早かれ廃れるでしょう。
バブル崩壊前後から深刻な本離れ、PC普及で拍車がかかった。
異業種とのハイブリッド、という方法ではおそらく生き残れない。
『書籍のアート化』と『個人書店のみで取り扱う商品』が鍵となるのではないか。
世界でただ一軒、そのお店でなければ手に入らない本。
不便ですと? いえいえ、不便こそが文化、利便を求めるのは文明病。
ネット通販も電話注文も受けない。欲しけりゃ店まで足を運べ。
……こんな話をしましたが、現実的ではない。個人書店の状況は深刻です。
取扱い数が少ないから配本が制限され、一見の客にソッポを向かれる。
注文だと最低10日はかかるというと呆れられる。来るのは年配の常連だけ。
数年前から考えてますけど、いまだにアイデアが浮かばない。
本の面白さを伝える試みは各種盛んだが、書店の有難さを伝えるイベントはない。
だが諦めない。なんとかしたい。小さな本屋さん、だから頑張って。