Nicotto Town


シン・ドラマ汁


ドラマ【ヤメゴク】

新番組 ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~
TBS 木曜夜9時~
【あらすじ】永光麦秋は、警視庁組対3課に設置された暴力団離脱者電話相談室、通称・足抜けコール担当の警察官。足抜けコールに連絡を寄せてきた暴力団離脱希望者の離脱を妨害しようとする人物から、二度と妨害することがないように、離脱承諾書をとるのが主な仕事で、離脱後は職業の斡旋なども担当する。だが、本来足抜けコールの仕事は、離脱希望者から足抜けの事情を電話で聞き、意思確認するまで。それ以降は、暴追センターの暴追アドバイザー・佐野直道の仕事だ。ところが麦秋は、佐野の仕事を奪い暴力団に乗り込み、いつもマル暴を困らせていた。

【感想】堤幸彦×櫻井武晴という期待の作品。「ヤメゴク」というタイトルは、堤組が制作に関わってきたミステリードラマの「ケイゾク」「TRICK」「SPEC」の、すべて終わりの文字が「ク」であるという伝統を引き継いでいるものと思われます。「TRICK」だけはテレ朝だけどね。このシリーズ、どれも主役に若い女優が起用されているんですが、見た目だけでなく演技も上手であることが条件じゃないかと思ってます。「ケイゾク」の中谷美紀や「SPEC」の戸田恵梨香は、憑依型で鬼気迫る演技が特徴の女優ですし、「TRICK」の仲間由紀絵はそこまでいかないものの、まぁ普通に演技ができる女優だと思います。今回の主役の大島優子は、「霊能力者小田霧響子の嘘」くらいでしか演技を見たことはないのですが、幼い頃から子役として活躍してきたこともあり、まあまあの演技力だと思いますね。少なくとも10代後半でデビューし、片手間に演技もやってるようなアイドルよりはかなりマシですね。AKB卒業以来、パッとしない彼女ですが、今回のドラマでその真価が問われそうです。
で、内容なのですが、脚本が櫻井氏なだけあって、堤組のミステリーとしては珍しく、かなりリアリティ重視の設定のようです。事実を元にして、それを踏み台としてアレンジしている感じ。また、社会派のストーリーに定評がある櫻井氏による作品のせいか、それまでの堤組のミステリーと比べ、ちょっと重いですね。今のところ、コメディパートと社会派パートのバランスが、うまく取れていないように思います。このドラマが堤×櫻井と知った時、かなり異色の組み合わせだなと思いましたが、初回見た感じでは、少し演出に迷いがあるように感じました。このギクシャクした感じが、回をこなすうちにこなれてくるかどうかが、このドラマが面白くなるかどうかの鍵を握っているような気がしますね。私的には、もうちょっと軽くして、堤色を強くした方がいいように思います。何故なら、まず主人公が常時喪服のような黒い服ばかり着ている髪のボサボサで目つきが悪い女性なので、そこがすでに重い。ですがこのキャラはこれでいいと思うので、他のキャラをもっと際立たせることでコメディっぽくしないと、テーマがテーマですから、救いようがなくなってしまいます。今までの堤組のミステリーは、結構重い内容でも随所に遊びを入れることで、軽くしていたように思います。なんだろう、櫻井氏に変な遠慮でもあるんでしょうかねw その点、櫻井脚本の「ATARU」はうまく作ってたなと思います。
あ、あと、どうしても一筆書いておかなければならないことがありました。短いですがオープニングの映像が、めちゃくちゃいいです。まぁよくあるスーパースローなのですが、画面の凝り方が尋常じゃないw CG処理とかもしてるのかもしれませんが、つい撮影現場を見てみたくなるような映像ですね。美しいとか素晴らしいという言葉よりも、オモチャ箱をひっくり返したとか、パンドラの箱を開けたとか、そんな表現が合うオープニングです。




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