Nicotto Town


みっちょん恋愛の詩


淡い夢


木々が美しく芽吹くころ
車を走らせて森に行く
そこには二人の思い出の場所が
いつまでも変わらぬ姿で
迎えてくれる


車を降りて林に入る
まだ冷たい空気の中を
暖かさを待つように
ひっそりとつぼみがついて
花咲く季節を待っている


二人の間に花咲く頃は
一シーズンしかなかった
傷ついた心を持つ者同士
パズルはかみ合わなかったのか
もうどうしようもなかったのか


いつも憂鬱な心になる時
ここに来ていた
でもそれは傷をなめ合うだけで
本当の姿ではなかったのかもしれない
本当の愛の形では


光がさえぎられるように
何かが黒く影を落として
いつか来る別れの時を
知らしめていたのかもしれない
だから長く続かなかった


分かっていたのか
二人の心は
それでもよかった
でも 怖かった
現実を見るのが怖かった


また車を走らせて
街へと戻っていく
そこには思い出の音楽が流れて
あの日をよぎらせていく
でももういらない


楽しかった日々も
悲しかったあの時も
シナリオ通りだったのか
始めから決められていものだったのか
今はもう分からないけれど


もう責めない
二人過ごした時のことを
どんなに儚い日々であっても
大切な毎日だったから
嘘にはしたくない


それでも車は進んで行く
音楽が変わった時でさえ
未来への道はまだ見えないけれど
それでなければ悲しすぎる
だから明日へと走っていく




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