Nicotto Town


十目一ハ研究所:ニコタ出張所


見ておく

昼から仕事に行ったら、従業員専用入口の床でメジロがヨタヨタしていた。
ちょうど荷物を積み込みに戻って来ていたブチさんを呼び止める。
「ブチさん、ブチさん。ちょっと、つかまえてくださいよ」
と言ったら、ブチさん持っていた伝票の束でスッとメジロをすくい、それを私に近づけてくる。
「ほら。どうしたらええねんオレ~ていう顔してるやんかコイツ…どうすんねん」
「どうするって言われても…どうしたら…どうしたらいいとかわかりませんよ…とりあえずココに置いてください」
床よりは荷物を一時的に乗せておく台のほうが安全だろうと移動させ、私たちはそれぞれに仕事に戻った。

「ヨタヨタのトリトリさんの件ですが、出たトコの台の上に乗せてます」
と仕事内容を引き継ぐかのように報告してみたら、新人仲間のもっちゃんが資材の確認から戻って来て「MAさん、トリトリさんまだ台の上に居ますよ」と確認事項報告。
「私が帰るまであのまま逃げずに台に居たら、持って帰って飼います」
処理済み、と。

それから5分ほどして、荷物を運ぶついでにトリトリさんを確認。
「うわーーーーー死んでるーーーーー!」
「えーーーー?!」
「ついさっきまで生きてたのに…寒くて弱ってたのかな…あったかい事務所の中に入れておいてあげれば死ななかったのかなぁ」

しかしこのままにしておくわけにもいかない。
「支店長ぉ~トリトリさんを埋葬してあげてくださいよ…ほらあっこの公園の土のところに」
食事から戻ったばかりの支店長は、トリトリさんの埋葬屋。
「よし、埋めてきたで」
「滞りなく、しめやかに、終わりましたか?」
「滞りなくやで。あとは箸を立てるだけ」
そこへ、配達を終えたブチさんが戻ってきた。
「あれ?トリおらんくなってるやんか」
「トリトリさんは先程ご臨終を迎えられました」
「え~~~~帰って来たら食べよおもとったのに~」
「それはそれはまことに残念なことで。今しがた葬儀を終えたところでございます」

見届けられるって、きちんと死ぬことなんだなぁ。

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2015/04/04 22:42
SONGS見ないのですの~
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2015/04/04 21:40
ただいま~。
これからご飯なのだ―!
SONGS見るのですかあ?
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2015/03/07 09:52
命あるもの必ず死ぬ、ということは生きる延長線上に死ぬもあるわけでね。
私は楽しく看取り、自分も楽しく死んでいきたいな~
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2015/03/07 01:57
生命の最後に、誰かに看取られるのが幸せなのかどうかは分からない。
でも
「看取る」ことで心の安らぎを得られる人も多い。

だから
「看取る」ことって 大切なんだと思うよ。



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