企業の消費者への姿勢:ノベルティを「もらえる」
- カテゴリ:仕事
- 2015/02/17 00:58:57
消費者向け企業(今流で言えばBtoC)が自社製品にノベルティ(おまけ)をつけたり、
懸賞などをするときに、ノベルティや懸賞商品をどのように表現するか、という
小さな主題のエントリです。
昔は、「~を進呈」「~をプレゼント」という表現がほとんどであったと思いますが、
最近「もらえる」という表現を見かけるようになりました。
おそらく、消費者の目線で親しみをこめた表現であると思います。
しかし、この表現「~をもらえる」という表現は問題が2点あります。
「ノベルティや懸賞商品を要らないと思う人」又は「ノベルティや懸賞商品を
もらう資格がない人々」の立場からすると、当該ノベルティはその企業の販促費から
支出されています。欲しくない人からの利益からその販促費は投入されました。
欲しくない人からすれば、販促費を売価に還元して値段を下げたり、
品質を良くしたりして欲しいのかもしれません。
それを「もらえる」という押し付けがましい言葉で表現して良いのであろうか、という点が一点。
消費者向け企業は売上も営業利益も小さな一人の消費者から得ています。
10円の利益を100万個売ることで1,000万円の利益になっています。
企業は生まれながらにして大企業ではありません。
大企業の販促担当者は誰が企業を大きくしたのか、
誰が今ある利益をもたらしたのか、を考えることができれば、
消費者に対して謙虚な姿勢であることは自明であります。
膨大な営業利益をあげる消費者向け企業が、その売上や営業利益がどこから
生まれたか忘れた頃、企業は「もらえる」という言葉を使うと思います。
消費者軽視の企業は長続きしません。
言葉遣いの問題と、軽く思わないでください。
言葉遣いにより、その企業の姿勢がわかってしまうものです。