オモチャ屋の『決闘モノ』のコーナーで足を止めた。
あっちにもこっちにもスマホやタブレットを模したオモチャが溢れ『通信モノ』が人気とばかりに売り場の広さが確保され、ゲームコーナーは万全のセキュリティで囲われているというのに、平成27年2015年にひと二人分のスペースに小さくまとめられて忍者や武士のマストアイテムが揃っているではないか、所狭しと。

さほど長くはないが決して短くもない剣の「押してみてネ」と書いてあるボタンを出来心で押してみたら、刀身が紫色に光り出し、相手もいないのにシャキーン！シャキーン！とけたたましく決闘音が鳴り響いた。
その音に魂が反応したのか推定年齢４才の男児が寄って来、私を見上げてポカンとしている。

せっかくなので大きく振りかぶって斬ってみると、首の右側から斜めにザックリと左脇腹までをなで切られた４才武士はその場に膝から崩れ落ち、ゆっくりと床に伏せ動かなくなった。

心配するな峰打ちじゃ。
急所は外したゆえ殺傷能力はござらんじきに立てるであろう。
拙者が君に殺陣の稽古をつけたことを決して忘れず、大物アクションスターになるがよい。