Nicotto Town


✪マークは作り話でし


✪ 迷子の魔法使い (前)

大きな街は闇に包まれています。
街の灯りも、もう消えてます、
昼間ずっと人々はあっちへいったりこっちへ行ったり。
車や路面電車もガタガタドンドン、急がしく走り回っていました。
でも今は、みんな家に帰りぐっすりお休み。
風と影と小さな猫だけが、静まり返った大通りをうろついています。
子猫が紙くずをネズミに見立てて追いかけてます、
足でパシッとはたくとゴミ箱の後ろに飛んでいきました。
ほんの一瞬でそれにとびかかり、そして、
すぐにどうでもよくなってしまいました。
他のものを見つけたからです。
「これは誰?」子猫は風にたずねました。
「こんなゴミ箱の後ろで眠っている人なんて、見たことないょ」
風は新聞紙を吹き飛ばして遊んでいましたが、
新聞紙をほったらかしてすぐに見に来ました。
大きな影が忍び寄ってきて、どこからともなく見下ろしています。
「ああ」風は言いました。
「魔女だょホウキを持っている、でもまだ子供だね」
風の言うとおりでした、それは小さな魔女、子供の魔女でした。
小さな魔女は風の声を聞いて目を開けました、
とつぜん目が覚めました。
はるか上空では鳥たちが、下の様子をじっと見下ろしています。
小さな魔女はたった一人で、
誰もいない寒い大通りをあてもなく歩きはじめました。
彼女には何倍にも大きすぎるようなホウキを引きずって。
子猫はホウキを見て飛び跳ねました、とっても驚いています。
「風さん」子猫は叫びました。
「あの魔女が歩いたところに、花の道ができているょ」
そうです、その通りなのです。
小さな魔女にはたくさんの魔法の力がそなわっているのです。
でも正しく使う方法、使わない方法をまだ教えてもらっていないのです。
そりよりも何よりも、知っていることと言ったら話すことくらいなのです。
彼女が歩くいたるところに、
金木犀が生えローズマリーやバイオレットにスズランや、
ピンクと白の小さなバラが花咲きます。
小さな通りにも、大きな通りにも。
あちらこちらからチョウが飛んできました、踊って甘い蜜を吸っています。
「あそこにいるのは誰?」と若いチョウはたずねました。
「あれは子供の魔女、こんなすばらしいごちそうでいっぱいの、
色とりどりのテーブルを作り出してくれたのはあの子ょ」
風が追いかけてきて、美しい花やその匂いを空に吹き飛ばして遊んでいます。
「街じゅうにまき散らそう」と言って。
街の人々は眠っている間に花の香りをかぎ、
微笑いっぱい夢を見てます。









アバター
2014/12/08 14:31
私のまわりも花いっぱいに、してほしいな
アバター
2014/12/07 23:51

エさにも困らない都会の ある一角を思い出しました
人間もきっと同じなのかな?



小さな魔女・・・
幸せの種をバラまき!
さてさて次は何が起こる????

後編が楽しみーーー!!

アバター
2014/12/07 20:31
子供の魔女でも、力は一杯もってるんですね^^

撒き散らされた花の香りが、こちらにも届いたような~
不安だった心に、小さな花が咲き始めたような気がします^^

ステキなお話~*^^*



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