Nicotto Town


✪マークは作り話でし


✪ じかん (完)

まわりはそんな感じだった。
「あれは、何なの、光の孔?」
「時間の出口だょ、あんたもお母さんもあのひとつの孔からここへ来たんだ」
「じゃ、ビビや友達みんなの時間もここにあるわけ」
「そうだょみんな別々の時間を持っている、近くに行ってみようか?。
ビビちゃんがあなたの夢を見ているかもしれない、
夢見る時間は早く過ぎるものだ」
「あっちの時間、ひとつ消えた」
「時間が止まったんだ」
「とまってるって?」
「死んだんだょ」
「・・・・・・」
「こっちを見てごらん、ほら、あそこに新しい光がともったろう。
あれは生まれたんだ」
「こんなにたくさんの出口から時間が出ていっても、時間はへらないの?」
「そうだょ、時間の源は言いかえると永遠と言うんだ」
「瑠璃」
「お母さん、そんなとこにいたの?」
「私なんだか怖くなってきた、早く病院に帰りましょ。
ここにいるとやはりいけないと思うの」
お母さんはおじさんを見て、
「ほかにもここへ来る人はいるんですか?」
「いますょ」
「瑠璃の父親がひょっとして来たことがないでしょうか?」
「あるょ、呼んであげよう」
「え」
おじいさんは額に手をあてて、目をつむった。
姿が消えてお父さんが現れた。
「お父さん、お父さんなの?」お母さんは瑠璃の手を放して腕を伸ばした。
瑠璃もそうした、三人は抱きあった。
「久しぶりだからどこかにでもいきましょうか?」
「お母さん、ここには何もないんだょ」お父さんが言った。
「それにしても瑠璃、よく音さんの顔おぼえていたわね」
「時計のおかげょ」
「かたみに残しておいてよかったな。
ほんとうに大きくなった、元気かい、何年生になった?」お父さんが聞いた。
お母さんの顔色が曇った。
お母さんは瑠璃の病気のことを、白血病ということをかくして、話した。
「お母さん、ほんとに心配しぃなんだから」瑠璃は言った。
「お母さんはいつもそうだったね、くしゃみをしたらはぃ薬。
熱が出たらはぃ薬」二人は笑った。
お母さんはにわかに気をとりもどし、
「おじいさーーん」と片手をあてて呼んだ。
目の前のお父さんが額をおさえた、お父さんの姿が消えてった。
「お父さん」
お父さんのいたところに老人が現れた。
「おじいさん、あなたいったい誰?」
「時間の番人だょ」
「おじいさんお願いします、瑠璃と私を病院に反してください」
「よろしい、お母さんの時間に乗ってお帰り、あれがそうだょ。」
そこは瑠璃の時間の出口の隣だった。
「私の時間にのって帰ってもいいんですか?」
「いいとも」
「瑠璃の時間は使えないんですか?」
「そんなことはないょ、お母さんの時間の方が勢いがあるからね」
お母さんは瑠璃を引寄せて、その輪の中に飛び込んだ。
「さよなら、お父さん」瑠璃は言った。
翌朝、瑠璃は目を覚まさなかった。
瑠璃の手にしっかりと握られていた時計は八時で止まっていた、
その時間からその時計の針は動かなくなった。

小学三年生という若さで亡くなった私の姉、
そんな姉を思って書いた物語。
これはかなり前に書いたものですが、
ここに出すのは初めてです。

アバター
2014/12/18 06:14
あそうだ。
ブラさんにだけこっそりご報告。
純文学系の短編賞、一次通過できました^^
二次はダメだったけどー(xwx
ブラさんに触発されて書き始めたものだから、
ありがとうの気持ちを込めて^^
アバター
2014/12/10 07:46
拝読しました。
すてきなお話でした^^
アバター
2014/12/04 11:08
拝読させていただきました(T-T)
アバター
2014/12/03 12:43
ありがとうございました・・・
アバター
2014/12/02 17:27
瑠璃ちゃんの物語、忘れません。
ありがとうございます。
アバター
2014/12/01 23:05
ぶらちゃの時間は動いてますか?
アバター
2014/12/01 22:39
ブラボーさん。。;;

素敵なお話をありがとう
時間を
生きていることを
大切にします

アバター
2014/12/01 21:28
最後まで読んで、お姉さんへの思いが
こもった作品なんだとわかりました。

大切な人をなくすのはとても悲しい。
でも、生きている私達は歩み続けないと。

頑張りましょう^^
アバター
2014/12/01 11:18
時間を止められるものなら止めたいですね。
時間は残酷なもので人の気持ちなどお構いなしに過ぎて行く。
瑠璃ちゃんの時間は短かったけど精一杯使い切ったんですよね。
アバター
2014/12/01 07:16
時間の中で生きている~
喪われた時間もどこかで生きている・・・

瑠璃ちゃん、悲しいけれど、時間の中のどこかにいるのよねぇ~

一気に読ませて頂きました~ありがとうございました(__)
アバター
2014/12/01 06:06
これは星々の中を流れるアストラル界の時間ですね。
とまっているお父さんの懐中時計は、
いまもどこかで、もう一つの時間を刻んでいるのかも。

読ませていただいて、ありがとうございました♪
アバター
2014/12/01 03:40

うんうん。
そんな気がしてた。

ごめん・・・
涙が止まりません。

アバター
2014/12/01 01:50
夢中で読ませていただきました。

時間は永遠ですね。

私の家族もきっと同じ世界にいるのでしょう。



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