ドラマ【すべてがFになる】
- カテゴリ:テレビ
- 2014/11/26 15:49:15
【感想】まず、この作品のキーパーソンでもある真賀田四季を演じている早見あかりですが、まだ19歳なんですね。アイドルに詳しい方ならご存知かもしれませんが、Zがつく前までのももいろクローバーに所属しており、女優を目指すため脱退したようです。最近では他に「マッサン」でマッサンの妹を演じたのも印象的でした。私、何かこの人にすごい可能性を感じます。というのも、真賀田四季は29歳の女性であり、その娘は14歳なのですが、別の女優が演じているのかと思うくらい、違うんですよね。四季自身、特殊な環境で育った天才なので、多少棒でもそれが無表情な演技をしているように見えるので、キャリアが少ない女優には向いている役とは思いますし、元々早見は少し大人びて見えるので、30まではいかないまでも、20代中盤くらいで充分通ります。しかし一方で、やはりティーンだからか、14歳を演じても無理がないんですよね。これは彼女の功績というよりも、10代半ば~20代半ばを自然に演じることができる逸材を発掘した、キャスティングの勝利のような気がします。ただ、原作ファンに好評かどうかはわかりませんがw 原作ファンというのは勝手に自分の中でイメージを作り上げ、それと違えばブーブー文句垂れる人種ですから、どんな役者が演じても、彼ら1人1人が作る別々のイメージに合わせることはできませんからね。原作つきのドラマの宿命とも言えるでしょう。
さて、内容の方ですが、初めてこの作品をこのドラマで見た方は、さぞかし驚いたでしょう…。私も原作を読んだ時にはショックを受けました。なので、細かいところはほとんど全部忘れていましたが、四季があの閉ざされた部屋で娘を産み、こっそり育てていたというのだけ覚えていました。そして、犯人が被害者を殺して手足を切ったことも。もう、どっちだったかは忘れてましたけどね。正直どっちがどっちでも驚愕のトリックですよね。トリックという言葉で片付けていいものかどうか、わからないくらいに。人の親なら、自分の娘が自殺したとしても、自分が自由を得るためにその手足を切ることができるのかと思いますよね。そして、私が読んだ中に、娘が自殺だったという話が出てきた記憶がないのです。本当はそういう記述があり、私が完全に忘れているだけかもしれませんが、四季は目的のためなら娘を殺すことを厭わない、よく言えば意思の強い女性で、悪く言えば、鬼のような女だったと記憶しています。
そして、相変わらず動機がよくわかりませんでしたよねw ドラマのストーリーに沿うと、四季は新藤が自分の両親を殺した時、罪をかぶる代わりにいつか自分が新藤を殺し、その後自殺すると約束しました。そして監禁されてもその約束を忘れず、約束を守るために自分の娘を育ててきました。しかし娘はその約束を果たすのを負担に思い、自殺してしまいます。四季は娘の死体を利用し部屋から脱出、約束通り新藤を殺しますが、自分は逃亡してしまいます。約束が守れてないですね。しかも15年もたち、新藤がまだ死を望んでいたとは思えません。抵抗しなかったということは、あきらめていたのかもしれませんが…。しかも、もし娘が自殺ではなく、四季が自分を自由にするため娘に手をかけたのだとすれば、なんかもうどうしようもない女ということになりますよね。特に秀でた天才にはありがちなことですが、性格が破綻しているとしか思えません。愛する新藤との間に子供が出来たことを両親に激怒され、新藤が両親を殺したあの日から、四季は狂ってしまったのかもしれませんな。いや、いくら中学生とはいえ叔父を愛し子をなしたわけですから、その時点でもう普通の子とはかなり違う感覚の持ち主だったのでしょう。とまぁいろいろ彼女の性格について検証をしたところで、やっぱり動機についてまったく理解できないというのは変わりません。森作品は動機が弱い、というのは普遍なのかもしれませんなw 今後の作品も注意して見ていきたいと思います。