Nicotto Town


十目一ハ研究所:ニコタ出張所


蚊が、おる。

夏の置き土産か。
よかろう、息の長い活躍をみせる蚊が家の中で一匹だけ飛んでいるのには目をつむろう。
しかーし、この蚊が我々の血を吸う。
それもよかろう、数滴ぽっちの血液くらいなんぼでも吸っていけ。

でもな、お前に人情はないのか人情は。

この台風一過に雨風を凌げる居場所(我が家)を提供し、食事(血)も与えもした、これ以上にない厚遇だとは思わんか。

こんなにおもてなしをしたというのに、お前は私の血をドコから吸ったよ、え?
足の、小指の、爪と指の境目の、このうっすいうっすい甘皮の、皮膚なんか甘皮なんかぃや皮膚かぃいぃや甘皮か?いやいやいや皮膚やな、というその微妙に皮膚の
ほぼ甘皮と言っていいトコ。
掻くには皮膚が薄いからギュっと圧迫するくらいしか出来ない、そのくせ腕なんかをくちかれるよりはるかに痒い、この部分。

場所を選ばんかい場所を。
それが一宿一飯の恩義やろうが。




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