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諸悪の根源 動脈硬化

表題で、動脈硬化を「諸悪の根源」と書きましたが、果たしてどんな悪の原因となるのでしょう。

動脈硬化は、高血圧、脳梗塞、心筋梗塞、動脈瘤、その破裂などの原因です。

勿論、高血圧には内分泌異常や他の病気が原因となる場合もありますが、一般的な高血圧の主原因は動脈硬化であり、それら二つ(動脈硬化と高血圧)によって脳梗塞~動脈瘤破裂と言った非常に危険な症状の原因となります。

それ以外にも、足の異常なむくみや、よく分からない様な症状を引き起こす原因も、動脈硬化によるものと推測できるものがあります。


さて、動脈硬化とは何でしょう?

「動脈が硬化する」…ことなのですが、

血管は大きく分けて、この動脈と静脈があります。

動脈とは心臓から押し出された血液が流れる血管のことです。

一方、よく点滴などで刺す血管は、ほとんどの場合静脈で、心臓に戻ってくる血液が流れる血管のことです。

では、「硬化」とはどういう状態でしょう。

字を見ると、「硬くなること」の様に思いますが、実は違います。

動脈硬化の「硬化」とは、柔軟性が弱まった状態のことです。


では、どうして動脈血管の柔軟性が弱まる、つまり動脈硬化になるのでしょうか?

血管は心臓と同じ様に筋肉細胞で作られています。

非常に細いですが、実は何層もの筋肉細胞で作られた筒状のもので、その筒の中を血液が通っています。

様々な原因で血管の内側の細胞が傷つき、傷ついた細胞は役に立たないばかりか、有害な物質が内部から漏れ出してしまいますので、さっさと処分しなければなりません。

その処分をするのが、血液中に含まれる食細胞と呼ばれる細胞で、異常な細胞や異物を食べてくれます。

しかし、傷ついた細胞は処分されますが、その跡には細胞一個分の凹みが出来てしまいます。

血管の血液が通っている内側の細胞はスベスベしていて、血液に流れているいろいろな物がくっつく様なことはあまりありません。

ところが、傷ついた細胞が処分されて凹んだ部分は、血液が流れている細胞の下の層の細胞で、いろいろなものがくっつきやすく、そのままにしておくと血液の成分がうまく流れなくなってしまいます。

そこで、その凹んだ部分を修理する為、凹んだぶぶんの周りの細胞が細胞分裂して、新たな細胞でその凹みを修理します。

問題は、傷ついた細胞が処分されてから、修理されるまで凹んだ状態の時です。

修理されるまでの間、いろんなものをくっつけ易い凹んだ部分に、血液の中を流れている脂肪の塊がくっついてしまい、その脂肪がくっついたまま修理されます。

※血液の中を流れてくる脂肪は、専用の運搬用のタンパク質によって運ばれていて、そのタンパク質の回りには多くの脂肪がくっついているので、結構大きな塊となっています。 その状態はリポタンパクと呼ばれ、脂肪がいっぱいくっついている順に、VLDL(Very low-density lipoprotein)、LDL(Low-density lipoprotein)、HDL(High-density lipoprotein)と呼ばれ、よく血液検査の出てくるものです。

つまり、修理の為に新たにできた血管内側の細胞の下に、脂肪の塊が挟まった状態になってしまうことになります。

この様な状態は、中に脂肪が挟まっているので、血管の壁が厚くなり、また脆くなります。

この様なことは、身体中の血管で同じように起こり、そういうことが頻繁に起こると、身体中の血管が中に脂肪が挟まって脆くなり、血管の壁が厚くなる為、血液が流れる部分が狭くなってしまいます。

この状態になってしまうと、動脈硬化と呼ばれることになります。

しかし、実はそう簡単には動脈硬化になりません。

何故なら、血管の細胞も皮膚の細胞と同様に、新しく入れ替わるからです。

血管の比較的外側の細胞、つまり内側からするとずっと下の層の細胞では、細胞分裂が盛んに行われていて、新しい細胞がどんどん生まれています。

その新しい細胞が内側からみて上の方の細胞を押し上げていき、血管の内側の細胞が脱落、処分されるという新陳代謝が起こります。

それはまるで、皮膚の下の層の細胞から新しい細胞によって押し上げられ、皮膚の表面の細胞が垢として脱落していくのに似ています。
但し、皮膚の表面の何層かの細胞は、細胞内の器官のほとんどが無くなり、死んだ細胞であるのに対して、血管の内側の細胞は生きている細胞です。

新陳代謝によって一つ下の層の細胞が、血液と接する内側の細胞となる頃には、すべすべとした細胞となっています。

従って、仮にそこに脂肪が挟まっていたとしても、古くなった内側の細胞が脱落・処分されれば、同じように処分されるか、血液の流れにのって、どっかに行ってしまいます。


この様に、簡単には動脈硬化にはならないのですが、加齢と共に、新陳代謝が低下し、新たな細胞を作り出す能力が減ってくると、血管の中に脂肪が挟まり、血管の壁が厚く、脆くなり、血液が流れる部分が狭いという状態が継続されます。

それが、動脈硬化と呼ばれる状態です。

つまり、動脈硬化の原因は、以下の三つです。

① 血管の内側の細胞を傷つけるもの。
② 血液の中を流れる脂肪(リポタンパク)。
③ 老化


このうち、②と③の「血管の中を流れる脂肪」は、食生活に起因する場合がほとんどで、「老化」はある意味避けがたいことです。


では、①の「血管の内側の細胞を傷つけるもの」とは何でしょう?

字数の関係上、あまり詳しく書けませんが、列挙してみることにします。

<活性酸素>
最も有名なのが、この活性酸素です。
活性酸素とは、通常の酸素が、様々な励起(れいき)状態と呼ばれるエネルギーの高い状態になったもののことです。
活性酸素はいろいろな場所で発生しますが、最も大規模なのは肺だと思います。
従って、過度な有酸素運動は、身体にとってあまりよく無いことになります。
活性酸素は、エネルギーが高く、不安定な為、すぐに水や脂肪と反応して、過酸化水素や過酸化脂質と呼ばれる脂肪を作ります。

その作られた過酸化水素も、非常に反応性が高く、身体の様々なものを壊してしまう為、過酸化水素を処分する為の酵素によって速やかに分解される様になっています。
実は細胞の中にも隔離された状態で持っており、様々な不要物の分解をしています。
上の方に書いた、「傷ついた細胞をそのままにしておくと危険」というのは、傷ついた細胞からこの過酸化水素が漏出してしまうことが大きな危険の一つです。

脂肪はリポタンパクの状態となっているので、過酸化脂質もリポタンパク上で作られます。
この過酸化脂質は、リポタンパクにくっついたまま血液中を回っていて、細胞の膜も脂質で出来ているので、細胞の膜に過酸化脂質を紛れ込ますことが出来る様で、それによって細胞の膜が破壊され、細胞が傷つくことになります。
また、その過酸化脂質が細胞の中に入り込んで、遺伝子を傷つける場合もある様です。


<放射能>
放射能とは、放射線を出す能力を持つ原子のことです。
食品に含まれる放射能は、消化管から吸収され、血液中に入り、あるタイミングで放射線を出して別の放射能になります。
その放射線によって、血管の細胞が破壊されます。
特にセシウム、カリウム40は筋肉細胞に取り込まれ易いので、同じ筋肉細胞の血管への被害も大きいものと思われます。

<その他>
ウィルス、医薬品、有害化学物質など。

#日記広場:30代以上

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2014/09/13 10:15
いしころさん、コメントありがとうございます\(^O^)/

「わかりやすい」と言って頂くのが一番嬉しいです(=●^0^●=)
「老化」は、生物である以上、止めることは出来ないので、思い悩んでも仕方ないですよね。
でも、「老化現象」は、健全な生活をしていれば、遅らせることは可能だと思います。
様々な老化現象が現れますが、正直言って、その全てを遅らせることが出来るかどうか、私には分かりません。
ただ、血液を綺麗な状態に保つ…というと観念的ですが、なるべく最適な状態に保つことは、全身の老化現象を進めることは無い、つまり遅らせることが可能では無いかと思っています。

研究というほどのことでは無いのですが、いろいろなことを深く考えていると、思わぬ事象と結びついたりして、新たな発見…あくまでも、私個人の新たなる発見(既に、どこかで発見されていることでも、自分が知らないことで、自分でそれを見いだしたものを含む)をした時、何にも増して喜びや感動を感じるのです。
存分に遊ぶことも、存分に食べることも、存分に金儲けすることも幸せを感じるかもしれませんが、存分に考えることも、それらに負けないくらい幸せを感じます。
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2014/09/13 01:05
いつもながらのわかりやすい説明にありがとうです。
私は・・今は、老化現象が主に表れてきてるようですが
昔は嫌でしたけれど 実際自分がそのような年齢になってきたら
何となく受け入れている自分がいます。
二コタで楽しみながら日常に感謝して生活していけたらいいかなって思います
それにしてもあたるさんは いろいろと研究なさっているのですね。感心します(^^)/
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2014/09/12 13:54
青猫アクアマリンさん、コメントありがとうございます\(^O^)/

確かに、血管に限らず、「老化」を防ぐことは、現在の科学では不可能です。

しかし、「老化現象」を遅らせることは可能です。
採血で内出血が起きるのは、採血者が下手くそか、動脈硬化か、その両方かだと思います。

動脈硬化は治らないと言う人もいますが、それは嘘です。
ただ、本文中にもある様に、若ければ動脈硬化にならないので、動脈硬化だと気付いた時にはある程度の年齢になっています。
そして、年齢が高くなればなるほど、老化が進む為、血管の新たな細胞作りが遅れていく為、治るのに時間がかかるということになります。

つまり、老化が進んでいても、年齢に比例して遅いだけで、血管の細胞はちゃんと入れ替わっています。
従って、血管の細胞が全て入れ替わるまでの間、新たな動脈硬化状態を作らない様に生活をしていれば治ります。
とは言っても、完璧に阻止することは不可能なので、できる限りのことをして改善させることになります。

行き過ぎた有酸素運動をしない、多段階の抗酸化食品を食べる、放射能を含む可能性のある食品を極力食べない、不必要に医薬品をとらないなどで、血管を傷つける可能性を減らし、不必要に脂っこいものを食べない様にして血液中の脂肪の量を減らします。 糖分も多すぎると脂肪に作り変えられるので、特に夕食では少なくした方が良いでしょう。 減らした分は、朝食やおやつで賄えば良いと思います。

アルコールは、アルデヒド類になって、最後は無害な二酸化炭素まで分解されます。
その途中段階のアルデヒド類は、細胞を傷つけますので、可能な限り避けた方が良いでしょう。

以前にも書きましたが、通常の人は、夜中0~4時の間に身体を修復するホルモンが出るそうです。
その時間に起きていると、身体の修復がうまくできないので、血管の細胞の入れ替えも遅らせてしまいます。
夜間労働者の場合は、生体時計をずらすことで、対処することになります。
つまり、国内で時差ボケ状態を作り出すことになります。
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2014/09/12 13:28
ひなパパさん、コメントありがとうございます\(^O^)/

オペは…ムリすm(__)m

血管を傷つける機構について、もっと詳しく書きたかったのですが、字数制限で尻つぼみになってしまいました(;^_^A アセアセ…
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2014/09/12 13:25
ココさん、コメントありがとうございます\(^O^)/

そう言って頂くと嬉しいです(*^。^*)

皮膚の表面の細胞何層かは、肌の保水性を維持しています。
もし、その細胞を新陳代謝より早く剝がしてしまうと、皮膚の表面細胞層が薄くなり、保水性を維持できなくなります。
実際、お肌の手入れをし過ぎる為に、表面の細胞層が薄くなっている若い女性が増えているらしいです。
全く手入れをしたことが無い田舎のお婆ちゃんが、幼児と同じくらい保水性があり、お手入れを欠かさない若い女性がその半分以下という結果を見たことがあります。

何故、肌の表面細胞層が保水力があるのかを考えてみた時、恐らく太陽からの紫外線や放射線を受け止め、皮膚の下の細胞を守る為ではないかと思います。

肌の表面層の細胞は、確かに死んだ細胞なのですが、死んだ細胞だからと言って、不必要な訳ではありません。
例えば、赤血球は死んだ細胞ですが、赤血球が無ければ生きていけません。

レーザーピーリングは、私は知識が無いので分かりませんが、レーザー照射でメラニン色素や皮膚にメラニン色素を供給している細胞を破壊するらしいので、その様な荒技をして大丈夫なのか心配はしています。
メラニン色素も、紫外線や放射線を吸収する可能性がありますし、活性酸素が関与している、つまり紫外線や放射線によって生じた活性酸素を消去した結果という話も聞いたことがあります。
活性酸素が関与しているのであれば、抗酸化系の食品が有効かもしれません。

ほくろは、シミと違って、医学の領域の話なので、お医者さんに相談した方が良いかと思います。

化粧品については詳しく無いので、わかりませんm(__)m

吹き出物や体臭については、体内の状態と密接な関係があるので、いつか書くこともあるかもしれません。
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2014/09/12 09:58
ブログにコメありがとです。

私、採血のあと青あざみたいに針さした周辺がなるんですが、調べた所「血管の老化」らしいです。。。

知らなくてビックリしました・・・。
しかも血管の老化は若返らないとネットに書いてあってショックでした(´;ω;`)

お酒も控えめで揚げ物もあまりとらず、雑穀米を食べ、野菜中心で豆乳を飲んでるのですが、

魚の缶詰が大好きで週2回食べてしまっていますo(T◇T o)
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2014/09/12 06:22
さすが博士ぇ、ドクターにもなれますよ^^
じゃー一発、オペでもしますかw
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2014/09/11 23:30
「動脈硬化」とはそういう状態の事だったのか!と初めて知りました(〃ノωノ)
これは私の他にも勘違いしてる方いっぱいいらっしゃいますね
正確な知識を教えてもらえる事は財産になりますね
詳しい説明ですごく勉強になりました ♡
どうもありがとう♡╲(。^‿^。)ェヘ

老化といえば女性の大敵!
なんか最近ほくろやシミがふえたような気がします
ターンオーバーで古い皮膚がはがれて無くなるか
せめて 薄くなって行って欲しいなと思ってるんですが世の中そんなに甘くない><
もうレーダーしかないかな?と思っているのですが
何か少しでも効果のありそうな物 あったりしますかあ? 
もし美容系もOKなようでしたら そういう講座も開いてくださいね♡(´艸`*)
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2014/09/11 19:51
しずくさん、コメントありがとうございます\(^O^)/

現在のところ、血管に限らず、「老化」を防ぐことはできません。

しかし、今回テーマとした動脈硬化などの「老化現象」を遅らせることは出来ます。
例えば、行き過ぎた有酸素運動をしない、多段階の抗酸化食品を食べる、放射能を含む可能性のある食品を極力食べない、不必要に医薬品をとらないなどで、血管を傷つける可能性を減らします。
また、脂肪の沈着が起こらない様に、不必要に脂っこいものを食べない。 江崎グリコの発表ではカロリーの20~25%程度が適量と言われています。

血管の入れ替わりは、若ければ数週間で全ての血管の細胞が入れ替わるらしいです。
従って、動脈硬化になる暇が無いので、若い人は結構無茶な食べ方をしても、動脈硬化にはなりません。
ただ、20歳を過ぎたら少しずつ気をつけた方がいいでしょう。

アルコールは、酵素によってアセトアルデヒドに、最後には無害な二酸化炭素と水になりますが、途中段階のアルデヒド類は血管を損傷すると言われているので、気持ちが悪くなったり、二日酔いになる様なお酒の飲み方はしない方がいいでしょう。
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2014/09/11 18:22
こんばんは^^

難しいお話でしたけど興味があったので一気に読みました✿


血管の老化を防ぐにはどうしたらいいんでしょうね☆


血管の細胞も入れ替わるって書いてあったので少し安心しました^^






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