Nicotto Town



観測者

私<いま>が観ている世界は私<いま>の世界だ。

だがこの眺望から何がみえるというのだろう。
一寸先は闇のような暗がりとどうにもならない不毛があるだけだ。
時間も空間も吹きすさぶ風のごとく、ただやってきては過ぎ去ってゆくばかり。
触れることもできぬままそれは過ぎ去っていっていしまう。
今ここにこのままとどまっていることができたならば
何かを感じられるのだろうか?
私はどこまで今を意識できるのだろうか
キーを叩く指先の間隔、語彙をあさる志向性、風の音、、、
今この瞬間の万象を
死せるもの
生まれる者
日之出
夕暮れ
星明り
自転、公転、
天体運動や宇宙の広がりを
今ここへ至るすべての時間を

これはなんだ?
いったい、何が、如何、どんな風に?
目の当りなど何の意味もない。
何も見えてやしない。
何も感じたりできない。

ここにこのままとどまっていることなどできやしないからだ。
ならば、この先は?
この続きは?

今<わたし>に意味があるかどうかは今<わたし>にはわからない
今が持つ因果<いみ>は
明日の因果<こたえ>となって意味をなす。

私は大きな観違いしているのかもしれない。
しかし私の観る想像<ゆめ>は実像<リアル>よりも妄想<リアル>に現実<いま>に感じられる。

世界は虚像<しつぼう>ばかりで実像<きぼう>を覆い隠して
落胆させるばかりか視界を灰色に塗りつぶしてしまう。






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