その日は 暑く 静かだったという。
- カテゴリ:日記
- 2014/08/15 07:14:02
前日まで、敵味方問わぬ軍用機の飛行音や
警報のサイレンが鳴り響いていたのに
その日は朝から静かだったといいます。
広間に集まった大人たちは物音ひとつ立てず
雑音のひどいラジオ放送に息を潜めて耳を傾けており
子供には久しぶりに聞く蝉の大合唱との対比が印象的に感じられたそうです。
数日前、母は姉とともに機銃掃射を受け、岩陰に飛び込んで助かった。
疎開先の父はカボチャの茎やイナゴで命を繋ぎ本土決戦の覚悟をしていた。
コイツらが助かる必然性はなかった。その結果として私がいる。
「価値のない人間にも無意味な人生を全うする権利がある」
ダニー・ケイの映画だったかな? すごく好きな言葉です。
意味なきもの、無価値なことにこそ命の本質はあるのかもしれない。
今日も晴天、朝から蝉の声が響き、暑くなりそうです。
人類の愚行により失われ、これからも失われるだろう命全てに
心から哀悼の意を捧げます。