短期集中連載 僕の激動3
- カテゴリ:自作小説
- 2014/06/29 13:23:31
翌日、睡眠用の布を取り払われた鳥籠からの風景は、明らかに日常ではない物が鎮座していた。
「あれ、何だろう?」
鳥籠の同居いんこの彼女が、つぶやいた。僕の返答を期待してるわけではない。だけど、僕は反射的にその言葉を発していた。
「あれは、段ボール箱だ」
彼女が小首を傾げた。
「段ボール?」
僕の口から記憶の欠片がこぼれた。
「『引っ越し』のための道具だー僕たちの環境が激変する…」
日増しに鳥籠の周りの段ボールが増えてきた。そして、僕が嫌だったのは感情も思考も停止して段ボールに荷物をつめる、能面のような飼い主の顔だった。
飼われいんこにとって何よりストレスなのは、環境が変化することだ。本能的に捕食される側の動物であるから、変化に敏感なのだ。適応能力はそれなりにあるとはいえ、日々変化を続ける籠の外の風景に精神の適応が追い付かない。同居いんこの彼女はからだのリズムが狂ってきているようだった。
僕も耐えきれず何度も、飼い主に鳴き声をあげて訴えた。しかし、振り向いた飼い主に張り付いた能面は、僕たちの叫びを全く受け付けなくなっていた。
飼い主が泣きわめいた日を境に、飼い主は心が無くなってしまったように僕には思えて、更に僕は追い詰められた気持ちになった。
僕の内から沸き上がる記憶が僕に追い討ちをかけたーもっとショックなことが待っているー僕の記憶の感情が恐怖になって押し寄せてきていた。
(つづく)
です^^;;;
文章を書くことは自分の実を削ることーそれでしか、文章書けない
自分にがっくしです。。。orz
>Sionさん
猫の行方不明の動機も切ないですね;;
飼い鳥は、何かの拍子に外に出たら、見知らぬ世界でパニックになって
戻ろうとして、遠くに飛んでしまうことが多いような気がします。。。(--;
あと、鳥しかわかりませんが、匂いとか揮発物質で実際事故あります。
某宗教団体の強制捜査で、毒ガス検知にセキセイインコが動員されました。
それぐらい、鳥は敏感な部分もあるのは事実です。
あの捜査のときのインコたちは、無事生還して、警官さんのおうちに引き取られた
そうで、ほんとよかったです;;
そういう体質なので、住居の外壁に塗装中、友人宅に飼い鳥避難させる
鳥飼の方もいます。
ペットは人間より体格が小さい分、気をつけねばならんのだと、改めて
思います。。。
そこに戻ろうとして行方不明になっちゃったり……
人間でも新居に慣れるのには時間がかかりますが、
とりわけ匂いに敏感な動物にはことのほかきついだろうなぁと思います。
今まで考えた事が無かったです。
明後日んお楽しみに!