短期集中連載 僕の激動2
- カテゴリ:自作小説
- 2014/06/27 11:41:40
翌日、嘘のように日常が戻ってきた。表面上は。
平穏な生活に緊張を持ち込み、そしてその緊張に耐えきれず決壊して泣きわめいた存在ー僕たちの「飼い主」…
僕たちは、飼い主の気分や体調で左右されるしがないペットにすぎないちっぽけな存在なのだ。
僕と同居している彼女は、前日の不穏な飼い主が元に戻った、と素直に安堵しているみたいだった。
でも、僕にはわかる。僕たちの世話をしながら、飼い主は僕たちを見ていなかった。心ここにあらず。
僕のかすかな記憶がまた少しうごめいた。ぼんやりとしたイメージだが、記憶は不快感を伴い、僕を憂鬱にさせた。
これは、つかの間の凪のようなものだ。かといって、それを彼女に言っても理解できないだろうし、その後に襲ってくるであろう何かが、僕にはまだ思い出せない以上、彼女を不安にさせても仕方がないのだ、と僕は考えていた。
しかし、ぼんやりとした記憶はヒタヒタと僕の中で蘇りつつあり、記憶が戻るのに比例して不快感を増加していく。
僕と彼女は比喩でも何でもなく「鳥の籠」の住居いんこだ。
「籠」のは本来、束縛を意味する。でも僕は籠の中でいつも守られてるのを知っていた。籠の外の世界が変わっても、籠の中だけは変わらない。
かごの外で飼い主が動揺しても、それは籠の外の出来事だと思えばいい、籠の中はいつもどうりだ。そう考えればいいだけのことだーいやそう考えるべきなのだ。
でも、何故そんなふうに僕は考えるんだろう?
ソレハハジメデナイカラ
いきなり、頭の中で何かがはじけた。
初めてでない?ー頭の奥から記憶の波が押し寄せてきた。駄目だ、受け止めきれない!僕は叫び声をあげた。でも、飼い主は外出中で僕の叫びはむなしく空間の消えた。
一緒の飼われている彼女がぼそりとつぶやいた。
「戻ったわけでないんだね。日常でない事態なんだね」
僕は否定できず沸き上がる不安が更に呼び起こされる恐怖で身を震わせた。
(つづく)
読まれてましたか(^^;<一話目でいんこ話
動物が飼い主の感情を感じ取ってるって私も同感です
>かいじんさん
ちょっと思わせぶりな展開にしてみました(^^ゞ
動物ってテレパシーでもあるのかな、って感じるぐらい
飼い主の気持ちや感情を敏感に感じ取りますよね。
飼い主さんはなぜ泣いていたのか……
続きが気になります。
この二回目を初回に組み込むか、分けるか?で悩みました^^;
結局、状況がわかんないままのとこで初回を区切ったんですが。
トシraudさんは、読解力すごいので、わかりにくい文章を読み解いて
くれちゃってますが、読みづらくはありませんか?
読んでくださる人が楽しいと思ってもらいたいのですが、やっぱ
なかなか思うように書けませんね^^ゞ
そうしたら飼い主さんが泣くのは、2度目かそれ以上。
飼い主さんはアイスを食べ過ぎて、お腹が痛かったのかな?