大部屋役者の矜持
- カテゴリ:映画
- 2014/05/20 20:08:21
『太秦ライムライト』という映画をご存知でしょうか。
切られ役として名高い福本清三が人生初の主演を務めています。
七月から関西先行で封切とのことです。
時代劇や任侠物をはじめ、映画は大勢の無名役者に支えられています。
古いテレビ時代劇に顕著ですが、こうした方々は様々な作品に出てくる。
主演キャストよりも、端役の役者さんの顔を見つけるのが楽しみになってくる。
あ、今回はちゃんとしたセリフがあった、出世だ。
お、すぐフレームアウトしないで顔を見せながら倒れたぞ、うまい。
やや、最後に主役に切られた3人の中に入ってた、よかったね……。
無名時代に単発で悪役として出演した方が、後のシリーズで出世することもある。
萬屋錦之介版の鬼平犯科帳には、蟹江敬三が悪役で出ましたが、
彼は吉右衛門版で密偵の一人「小房の粂八」としてレギュラーになりました。
福本氏は「過去最高の演技は?」という問いに対して、
どれも全力で演じてきたから違いはない、という意の発言をしています。
御歳七十一。うーむ、カッコイイとはこういうことなのですね。