✪ 夢のエリア
- カテゴリ:30代以上
- 2014/05/07 22:54:38
パープル・モンスーン、
我々はこのエリアをスリープ・ランドと呼ぶ。
そのエリアは実に広大で、
ここでは何もかもが長く引き伸ばされているように見える。
この現象を象徴するものとして、
このエリアの夕方の「長さ」がある。
このエリアで流れる時間のほとんどが、
「引き伸ばされた夕方」のように感じられるのだ。
夕方の始まる、とろんとした眠たさに始まり、
夜がおりてくる一瞬手前の最後の青い光芒まで。
夕方の特有の数時間が、ここではほぼ一日を費やし、
蜜が満たされるようにゆっくりと過ぎて行く。
この時間の中では誰もが、輪郭を失い人のみならず、
語られる言葉すらぼんやりとし、すべてが長く影をひいている。
このエリアには夕方にだけ走る蒸気機関車がある、
その名もボンボヤリン。
変な名前だが、気にしないでほしい。
そしてボンボヤリンが止まるすべての駅は、
列車の車体に対してとてつも大きくてプラットホームなどは、
おりて前後ろを見渡すと両端が確認できぬほどどこまでも続いてる。
そこへわずか2両編成のボンボヤリンが到着するのだから、
いったいこの滑走路のような長いホームのどこから待てばいいのか、
途方に暮れること間違いなしである。
でも、それは解決策があるのだ。
その駅の駅長に聞けばいいのだ。
しかし、駅長が駅舎から出てる時は困ること間違いなしだろう、
列車でさえ見つけられないのに、
それより小さな人間を探すことなんて皆無である。
ボンボヤリンは夕方のみ走る列車で、
したがって乗車するためには、
一日中夕方であるようなとりとめのない時空の中から、
本物の夕方を的確に感じ取らなければならない。
そりゆえ夕方音痴の乗車希望客はどこまでも乗り遅れることとなる。
だが、そう慌てることもないのだ。
ここには夜は来ないし、もちろん朝だって来ない。
ただひたすら夕方が永遠に繰り返されているだけだから。
永遠の夕方の中で、永遠に乗り遅れるがよろしい。
それは、ほとんど天国に来てしまったかのような、
心地よくも憂鬱な解放感である。
アインシュタインの相対性理論を解く番組を昨日みていたんだけど、
そのときのような気分になったわw
ブラボーさんの頭はやわらかいねー^^
ぼんぼやりん、いい響き♪
そんな時にボンボヤリンに乗車して居眠りしたい・・・
菫色のレイヤーの中にUFOを探してみる
甘く切ないノスタルジックな時
夕暮れ時 誰もいないプラットホームで
のんびり列車を待つ
そんな時間にホッとする。
でも流れのない「時空」は
本当は辛いのかもしれないね・・・
だけど日本みたいな、何事も確実に成されることが常識になってる国で日々暮していると、たまには不確実で、それこそこの場所のように夢か現か分からなくなるような感覚に陥りたい願望が沸いてきたりする。
しかしながら、ボンボヤリンにはわろた!!