Nicotto Town


みっちょん恋愛の詩


人間模様


「おはようございます」
「こんにちは」
あなたの声は
いつも明るかった


「髪、切ったんですか?」
「今日の髪型、いいですね」
あなたのその一言が
とてもうれしかった


私たちを隔てるのは
小さな薄い壁
窓口の向こう側とこちら側
銀行員とお客さま


毎日必ずやってっ来るあなたを
心待ちにしていた
他の窓口には行かない
私の所に来てくれる


それがある日
あなたは若い子を連れてきた
「転勤になったんで
これからこの者が伺いますね」


笑顔で「よろしくお願いします」
そういうことしかできなかった
「転勤先でも
頑張ってくださいね」


人間模様って
そういうものだろう
私だっていつか
異動になるかもしれない


すれ違いだったのだ
始めから
愛するなんて手の届かない
かわいい恋だったのだ


今日も仕事は続いて行く
「いらっしゃいませ」と笑顔で迎えながら
人と人とが触れ合って行く
それが社会と言うものなのだろう




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