時期外れの節分話
- カテゴリ:日記
- 2014/02/08 22:10:57
昔話や民話における、鬼の役割分担は、一言で言ったら「悪者」
畏怖、狡猾、残忍。
なんて言葉が似合うのが、日本の昔話の鬼に与えられた役回り。
だから、節分でも「鬼は外!福は内!」と唱えて煎り豆をまく。
この煎り豆っていうのも重要で、なんで煎った豆なのか。
昔、あるところに美しい姉妹が住んでいた。
ある日、姉娘が鬼の生贄に捧げられることになった。
妹娘は、石工に頼んで姉娘の入る石の長持に穴をあけてもらい、姉に菜種の種の入った袋を手渡した。
「これを道々、落としていってちょうだい。春になったらきっと迎えに行くから」と。
翌年、姉娘のたどった道に、黄色い菜の花がぽつぽつ咲いた。
妹娘はそれをたどって、姉娘の住む鬼のすみかへ乗り込んだ。
妹は鬼に「夫婦になったことを、実家の親に、姉の口からきちんと言わねばどおりが通らぬ」と口八丁でやりこめ、姉を実家へ連れ帰ることに成功する。
鬼の家から出るときに、鬼に【煎り豆】を手渡し「この豆を植えて、実がなったら姉を迎えに来てくださいね^-^」と言い置いて。
鬼は、煎り豆を土に植え、水をやって、肥料をやってと世話をするが、目が出る様子すらない。
そりゃぁ、煎り豆だから、眼が出るはずはないわけで…
鬼は大分経ってから、自分がだまされたことに気づき、娘たちの家へ行ったが、当の昔に一家は別の土地へ逃げていた。
悔しさと、裏切られた悲しさで、鬼の心臓ははじけてしまったとさ。
そんなわけで、鬼は煎り豆がダメなんだとか。
娘の機転もすごいけど、なんかこの鬼、憎めないのよね^-^;
嫁さんとその妹を信じていて、親にきちんと認めて貰わないと。って思ったから帰したわけじゃないですか。
しかも、死因が悲しすぎて心臓破裂って;x;
確かに、最初は生贄をよこさなければ、村を全滅させる勢いで暴れるぞー!って脅しはかけてたけど、一途に姉娘を恋い慕って…っていうのが原動だったとしたら。なんて考えちゃうわけです。
見た目が見た目だから、人は鬼を見たら恐れ、逃げ出すものですしね。
ついでなので、佐渡にも憎めない鬼さんいるのでご紹介。
両津辺りに住んでいた赤鬼さんは、田植手伝った挙句、魔法の力(?)で精米した米を稲穂代わりに実らせるなんて言うおちゃめなことを2年連続でしていました。
が、3年目、庄屋の婆ちゃんが「こんなに良い事をしてくれる人には、お礼を言わなければ」と、夜こっそり山の田んぼへ行ってみたら、楽しげな歌が聞こえてくる。
婆ちゃんは、楽しくなってきて「s、そーれそーれ、よーいよーい」と合いの手を入れながら踊りだした。
踊りながら田んぼを覗いたら、大きな赤鬼が田植えをしていて、婆ちゃんは腰を抜かす。
婆ちゃんに気づいた鬼は、サッと姿を消し、その後二度と出てこなかった。
恩人(?)が鬼だと分かったからにはと、豆まきの時にも鬼をないがしろには出来ん!とて、その庄屋の家では「鬼も内!福も内!」と唱えながら豆まきするそうです。
シャイな赤鬼萌え!
婆様も可愛いけど、恥ずかしがり屋(なのか?)な赤鬼さんにハートのど真ん中打ち抜かれちゃいます。