ドラマ【科捜研の女】
- カテゴリ:テレビ
- 2013/12/13 16:19:50
【感想】お気づきでしたでしょうか。今回は実は誰も死んでいないのです。事件は寺社への放火と、25年前の仏像損壊の2つで、人的被害はなかったんですね。損壊の冤罪はありましたけども、それだって警察には届けられていないですしね。人の死というのは、それが自然死でもただごとではない上、殺人となるといやがおうにもドラマチックになってしまいます。つまりお話が作りやすい。それに比べ、殺人のない刑事物はなかなかドラマチックにするのは難しいです。しかし今回はなかなか面白い展開でした。前にも書きましたが、何故か科捜研の今シーズンは面白い作品が多く、今回もその例に漏れず、といったところでしょうか。ある寺に起きた過去と現在の2つの事件を中心に、昔不良少年だった不動産会社の社長と、現在イジメにあっている高校生の少年をうまくオーバーラップさせ、それでいて科捜研が行った大掛かりな科学実験という、主役たちの見せ場もあり、ほんとうまくまとまっていたと思います。ただちょっとだけ苦言を呈するならば、放火犯の高校生が、火が思ったより広がったので自分のジャケットを水に浸して鎮火しようとしたため、火が煽られ風もないのに真上ではなく斜め上の屋根が一番焦げていたとのことでしたが、それだけで斜め上の屋根が一番焦げるかなと思いました。ジャケットで火を叩いてましたが、あれだとさまざまな方向に火が煽られ、一箇所だけがよく焦げるというような状態にはならないんじゃないかと思います。そして最終的に少年はあきらめて逃げたので、それからは真上が一番焦げますよね。細かいことなんですけどねw あともう1点、悪者として出てきた速水が、結局はイジメられている少年を応援していた善人だったというオチでしたけども、それだと境内の枝垂桜が枯れてしまうかもしれないようなマンション建設計画を立てるような人物と、人間性において齟齬が生じるため、最後に桜は「意外としぶとく行き続けるかもしれない」みたいな発言をさせていましたが、あれは余計だったかな。ちょっと無理があるなと思いました。ま、苦言はそのくらいで、ほんとよく出来ていた話だと思います。面白かったです。