ニュクスの相談所2
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/11/10 20:03:29
「わたし、起きたいです」
・・・その声はシェリルか。
「はい。覚えていてくださったんですね」
わたしの名はニュクス。ここの管理者であり、手紙を届ける者だ。氷は溶けている・・・目を開き、動いてみろ。
「・・・わたし、うまくやるでしょうか。ああ、また氷が」
シェリル、一つだけアドバイスをしよう。
お前はこれからわたしと一緒に悪魔王サタンに会いに行く。
なあ、シェリル。わたしはあえて世界を不完全に作ったのだ。世界の半分は最初から間違いなのだ。
なあ、シェリル・・・完璧を求めてサタンとなってここの番人になりたいか、それともわたしの言う事がわかるか?
「・・・ニュクス様。わたしはわたしのままでいいのですか?」
そのとおりだ。シェリルよ、そなたはそなたのままでいい。
「わたしは何度も何度も自分を責めてしまう癖が治りません。そんなわたしでもいいのですか?」
そんなお前さんだからこそ、わたしのところに来たのだ。
わたしに救わせておくれ、シェリル。
サタンに会ったら、こうつぶやきなさい。
「愛しています」と。
「・・・久しく言ってない言葉。感情を込める事ができるか、わかりません。それでもいいですか?」
いいわよ。言ってみて。
目の前に悪魔王サタンが現れる。巨大な蛇。
「・・・愛しています」シェリルは目に涙を溜めながらつぶやく
悪魔王サタンは二つに割れ、傷だらけのシェリルが現れた。
「あああ、あああああ。ああぁああああ」と、シェリルはうめく。「ごめんなさい、ごめんなさい。ごめんね、わたし」
「ニュクス様、わたしは・・・いえ、わたしたちは二人で一つです。こうやって自分をいじめて来たのもわたし。ずっといじめられて泣いてきたのもわたし。そう、悪魔王サタンはわたしそのものでした」
サタンの事をどう思う?
「愛しい愛しいもう一人のわたしです」
シェリル・・・他に唱える言葉はあるかしら。
「アーメン・・・。あなた様に出会えた事を祈ります。アーメン」
よくできたわね。
シェリル、あなたもわたしも無条件の愛を施す相手はあなた自身・・・。あなた自身から初めていけばいいの。
そうすれば自然と湧き上がるから。
愛という最高の宝物が。
愛は求めても手に入らない。
あなたがあなたに無条件に与えた時に、決意した時に。
あなたの元へ。
もしもまた道に迷ったら「無条件に愛を与える」行為と決断へ戻りなさい。
あなたはいつでも「愛の道へ」
宇宙の進化と発展の道へ
敵は無し。
無敵の道へ。
愛しているわ・・・わたしの子。
「ニュクス様・・・あなたはやはり神の代理。そしてわたしたちの心に住むサタンを呼び出す支配者。ありがとうございました。またお会いしとうございます」
あなたが呼ぶならいつでも会えるわ。
わたしは名はニュクス。その名を呼びなさい。
完
人間が感情を持つ動物である以上、
自分を過大に評価して、その落差に自己を嫌悪したり、
また過少に評価して卑屈になったり、
その繰り返しです。
でも考えてみてください。
自己を嫌悪するのは、自分を愛しているからこそではないのですか?
嫌悪する
そのことはすでに愛しているということなのではないでしょうか。
愛すればこそ嫌悪する。
ニュクス
今日はシャンデリアをまとってあなたに会いに来ました。
夜がベルベットのように優しくあなたを包みますように。
あなた自身から初めていけばいいの。
そうすれば自然と湧き上がるから。
愛という最高の宝物が。
愛は求めても手に入らない。
あなたがあなたに無条件に与えた時に、決意した時に。
あなたの元へ。
もしもまた道に迷ったら「無条件に愛を与える」行為と決断へ戻りなさい。
あなたはいつでも「愛の道へ」
宇宙の進化と発展の道へ
敵は無し。
無敵の道へ。」
のところ、感動しました。
胸がつまり、涙が出てきました。
特に、「無条件の愛を施す相手はあなた自身・・・。」のところが、
本当に納得できます。
でも、私には、そうする方法が思い浮かばないのです;;。
どういうことをしたら、自分を愛することになるのか・・・。
どうすることが、自分を愛してやることなのか・・・。
今日もありがとうございました。