Nicotto Town



「うさぎと街灯り」

お空に半分だけのお月様がのぼりはじめる頃、高い鉄塔の上にうさぎが一人、今日もお空を見上げていました。

「うさぎさん、何してるの」
隣に立つ少女が話し掛けます。
「舟を待っているのさ。こんな日は・・・」
「お月様の半分がお船になって迎えに来るんでしょ?」
「よく知ってるね」
「この前うさぎさんが話してくれたんだよ」
「そうだったね」

「でもさ、本当はお月様に帰りたくないんでしょ?」
「どうしてそんなことを言うんだい?」
ちょっと驚いたようにうさぎいいます。
「だってこの前見ちゃったから」
月の舟が帰ったあと、鉄塔の上にぽつんと座って街を見下ろしている姿を・・・。

「ねえうさぎさん。わたしと一緒に街に帰ろう?」
少女が言います。
「でも・・・あそこは君の街だろう?僕の街じゃないよ」
街灯りを見下ろしながらうさぎがいいます。

少女はゆっくり首を振りながら
「あの街は、寂しい人たちが微笑みあいながら暮らす街。だからうさぎさんの街でもあるんだよ」
「そこに行けば、もう寂しくないのかな?」
「もちろんだよ。だってわたしがいるでしょ」
少女はにっこり笑ってうさぎに手を差し出します。

「さ、行こ」



おしまい

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2013/11/08 09:38
めぷちん♪さん

いつも感想をありがとう♪

やっぱりお話はハッピーエンドが一番だよね。

(#^.^#)
アバター
2013/11/08 00:56
でんち~♪

ほぉ~=Э いつもの可愛いメルヘンのお話が、とってもステキ~♪
いつも~ありがとう~^^

街になじめない…うさぎさん…まるでこの街が、嫌いで「毎日~引越したい」と思ってる
私の様で、感情移入してしまいました~w

だから…最後に~ハッピィエンドになって~本当に良かった~(●^^●)v

今夜は、ほっこり~良い気分で眠れそうです^^


アバター
2013/11/07 08:50
でんち~♪

このお話は以前書いたお話の続きに当たります。
とは言っても、独立したお話になっていますので、気にせずにお楽しみくださいませ。

あのあとも、鉄塔に座るうさぎさんの後ろ姿が気になって仕方なかったので、こんなお話にしてみました。

(#^.^#)



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