Nicotto Town


うみきょんの どこにもあってここにいない


ウイリアム・モリス展、追記


「ウィリアム・モリス 美しい暮らし展」(二〇一三年九月十四日─十二月一日、府中市美術館)

 ウィリアム・モリスは、ロセッティやバーン=ジョーンズらのラファエル前派と密接な関係にあり、日本で開催される展覧会も彼らとセットになったものが多い。その関係でモリス作品を、今までに何回か見ているのだが、心に染みたのは実は今回が初めてだった。生活と美、日常と非日常、その狭間を、ずっと考えてきたというのに。

 或いはどこかで両者の間に乖離を感じていたからかもしれない。創造、想像の世界のめくるめく色彩と、色が薄いように思われた現実世界。だがこの頃、例えば飛び立つ鷺、季節ごとに咲く花たちに、日々色の豊かさを教えられてきた。現実と想像は狭間で密接に繋がっているのだと彼らに気付かされてきた。そのことで、モリスの作品が、私に語りかけてくる声が聞けるようになったのかもしれない。壁紙や椅子、敷物の放つ、日々に属したものたちの声。彼の作品からは、例えば彼が幼年になじんだ森、好きな花たち、鳥の囀り、そんな日々や日常が垣間見えた気もした。狭間とは、他者との間の接点でもある。それは私とあなたに横たわる蜜月の物語だ。


 ヤフオクで、結局、ウイリアム・モリスの布を買うことにした。というか、つい競り落としてしまったのだ。100円ではじまっていて、120円の値段をつけた。せいぜい600円ぐらいなら…。けれども、ほかの人も入札してしまい、それよりも高く値段をつけてゆくうちに。あのシステム、よくわからない。相手がいくらまで出しているのかわからないので、いちいち10円単位で入札をくりかえさないとならないのだ。わかっていれば、それ以上まで一気に値段をあげるか、あるいはあきらめるというのに。入札ボタンをおしつづけるうち、けっきょく820円で止まった。最高入札者になってしまった。あと一日ある。わたしよりも高く買ってくれる人いないかしら…。820円で送料いれると900円。振り込み手数料とか考えると1000円だ。それほどほしくはない…。だが結局わたしが買うことになってしまった。しょうがない、定価は1575円だし、よしとしよう。ちなみに美術館で買えば、柄が選べたのだが、ヤフオクのそれは、まだ未開封なので、なにが入っているかもわからない。それもあって、もしかすると、すこしは安い値段で落とせたような気もする。柄のわかっているものだと、1000円以上で落札されているのも、あったから。

 今日は実はわたしの誕生日。自分への誕生日プレゼントだと思えばいいか。美しい暮らしだ。












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