腐った白雪姫
- カテゴリ:自作小説
- 2013/09/26 19:20:36
例によってご都合主義な展開がありますが、
まあ、おとぎばなしってそんなもんですよね(⌒ー⌒)
とある国の事。
そこには雪のように白い肌と、
夜の闇のように黒い髪、
リンゴのように赤い頬をした、可憐なお姫様がいました。
あまりに白い肌から、そのお姫様は皆に白い雪の姫。
白雪姫と呼ばれていました。
白雪姫には母親がいませんでしたが、それでは姫があまりに憐れだと言うので、王様は新しいお母さんを迎えるという、いらんことをしでかしました。
それはとても美しい女の人ですが、その正体は魔女でした。
魔女は魔法の鏡を持っており、毎日その鏡に問いかけます。
「この世で一番美しいのはだあれ?」
これまではいつもお妃さまと答えていた鏡でしたが、ある日のこと
「それは白雪姫」
と、答えました。
鏡は白雪姫の本名を知らなかったのです。
それを聞いて悔しく思ったお妃さまは、森の猟師に命令して、白雪姫を殺させる事にしました。
あー、前置き長かった。
「…で、あんたが白雪姫?」
「はい、初めまして」
「可憐な白い雪の姫?」
「…可憐? 白い雪??」
【可憐】
いたわりたくなるようすである・こと(さま)。いじらしく、かわいい・こと(さま)。
goo辞書より
「誰がですか?」
おれの目の前で小首を傾げているのは、どう見ても単に顔色の悪い『男』だ。
誰だよ、可憐で白い雪のような姫だって言ったのは~。
どんなに可愛い姫かと楽しみにしてたのに…。
「あの、大丈夫ですか?」
落胆のあまりガックリと地面に両手をついたおれに、そいつが声を掛けてくる。
「改めて聞くけど、あんたが白雪姫で間違いない?」
「はい、そうですけど」
その男はきっぱりと頷いた。
「なんで男が姫なんだよ!」
「そう言われても、俺が自分で名乗った訳じゃないですし」
こいつに白雪姫と付けた奴、出て来ーい。責任取れ~!
「付けたのは、父上です。可憐というのは初めて聞きましたが…」
くっ…国王が相手じゃ何も言えないじゃないか。
可愛い女の子だったら、お妃さまに内緒でこっそり連れて逃げちゃおっかなとも思ったんだけど、男じゃな~。
とりあえずおれは、白雪姫を人目につきにくい森の奥へ連れて行くことにした。
「すごい、きれいですね」
森の奥に広がる花畑。おれの思惑など知らない白雪姫は、無邪気に喜んでいた。
なんかちょっと…良心が咎めるかも。
「あの…猟師さん。猟師さんは、花冠の作り方って知ってますか?」
花畑を嬉しそうにながめていた白雪姫が、だしぬけにそう聞いてきた。
まかせろ、おれにできない事はない。
おれは適当な花を選ぶと、ちょいちょいっと花冠を編み、白雪姫の頭に載せてやった。
うっ・・・似合いすぎだろう。男のくせに。
柔らかく嬉しそうに微笑む白雪姫に、危うく目を奪われるところだった。
「すごいですね。俺にも教えてもらえますか?」
そう言う白雪姫に、お安い御用だと請け合ったのだが…。
「いや、そこじゃなくてこっちにだな…」
「こうですか?」
もたくさもたくさしつつようやく仕上げた花冠は、かなりズタボロだった。
なんでこいつこんなに不器用なんだよ。
「すみません、あまり上手にできませんでしたけど…」
白雪姫は申し訳なさそうにそう言うと、出来上がったばかりの花冠をおれの頭にのっけた。
「ここへ連れて来てくれたお礼です」
恥ずかしげににっこりほほ笑む白雪姫に一瞬頭の中が真っ白になり、
気が付いたらその両手をがっしりと掴んでいた。
驚いたようにぱちくりとひとつまばたきしたその顔を覗き込み、
「白雪姫、おれと駆け落ちしよう」
「は?」
おれはお妃に命令された事を打ち明けた。
「はあ、そうなんですか」
そうなんですよ。って、なんでそんなに落ち着いてんだよっ!
「猟師さん、いい人ですし、俺でよければ喜んで」
そう言って微笑む黒い髪に生っ白い肌の白雪姫は、やっぱり可憐なのかもしれない。
その後…うっかり噂を鵜呑みにして白雪姫こそが美しいと断言した鏡は、お妃さまによって叩き割られ、白雪姫を密かに葬ろうとしたお妃さまは、王様によって追放され、
手に手を取って駆け落ちしたはずの猟師と白雪姫は森の中で道に迷っているところを王様によって助け出され、皆の祝福を受けて末永く幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし?
・・・ふと思ったけど、このお妃は白雪姫に会った事なかったのかしらん?
うん、なかったんだわきっと(;一_一)
>白雪姫より美しい 男 を
ああ、ソレいいかもしれませんww
ダヤン、以前絵本も持ってましたよ~。
アニメ化ですか。
ダヤンが動いて喋るなんて、感激ですね(〃▽〃)
どんな声なのかしらん。
時間で知らないうちにどんどん流れるけど、待ってると過ぎるの遅いですよねw
・・・白雪姫より美しい 男 を探し出すことに一生を捧げたwww
>猟師と白雪姫は森の中で道に迷っているところを
方向オンチな2人は人生も方向オンチだったのねww
安奈さんは 猫のダヤン 知ってますよね?
どうやらアレが、来年(2014)アニメ化するそうですよ。
昨日本屋で来年の手帳売り場にてダヤンの手帳を見つけて、帯を見たらそんなことが書いてありました。
笑っていただいてありがとうございます(*^-^*)
おもしろ過ぎ!www