Nicotto Town


変わらない約束あの頃のままで


半沢直樹の出向人事について


定例の役員異動でない時期に№2の常務を更迭するなら、「東京中央銀行に何事があったのか」と大問題に発展しかねません。それが役員の家族企業への迂回融 資であったなどと分かったなら(話題になればたいてい関係者からリークされます)世間的には大事件であり、対金融庁上もタダではすまされない問題に発展す ることは想像に難くありません。さらには銀行の信用問題にも発展するでしょう。そうなればすなわち、頭取の責任問題は回避できません。単なる降格人事であ るならば、「与信管理上の責任をとらせた」等々理由はいくらでもつけられるのです。

次に、半沢直樹の出向人事について。このドラマでは再三再四、出向は片道切符の「悪いモノ」的なイメージで語られ続けていますが、現実は必ずしもそうでは なく、“一回休み”的な待避ポストとしての外部出行も存在します。特に
今回の半沢氏への辞令は、グループ内証券会社と思われる先への営業企画部長発令で す。同じ金融機関への出向は、銀行業法上本体では取り扱えない金融業務を身につける場でもあり、将来の役員候補に対する教育的出向であると理解できるもの でもあります。

しかも、関連会社の職位はひとつ下の職位が本体の対応職位であり、営業企画部長という部長職は本体でば副部長がそれにあたります。すなわち本店次長職の半 沢氏にとっては昇格人事であり、不満を感じるべき異動ではないのです。外部出向時に昇格人事で外に出すと言うのは“片道切符”ではあり得ないことなので、 この点からも半沢氏の出向が片道ではないことが分かります。

さらにもうひとつ、半沢氏の出向人事には金融庁からの検査入検時の対応に関する指導に形式上答える必要に迫られたものでもあるのでしょう。対金融庁向けの 「ご指摘の人物は主要ラインから外部への異動を命じました」というポーズです。要するにこの点もまた中野渡頭取の保身対応が見てとれるのです。私には金融 庁長官宛、上記に関する報告書を携えて平身低頭“ご説明”にあがり、事なきを得て帰りの黒塗り公用車の中でほくそ笑む中野渡頭取の姿まで目に浮かんでくる ところです。




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