Nicotto Town


うみきょんの どこにもあってここにいない


のたのたしているのたろう君


うちの近くのバス停のちかくの
飲み屋さんが、朝7時45分ぐらいになると
なぜかひもでつながれた、小さい黒猫を、
外にだす。ドアノブにひもの先端を結びつけて。
ひもがからまって、たおれたりしながらも
愛想がいいそうだ。

わたしは普段、その時間、もう仕事しているので
会えないが、家人が、そう教えてくれた。
ちょうどバスに乗る時間なのだ。

のたのた歩くので、のたろうくんとか、のた吉とか
勝手によんでいる。

わたしは、日曜日月曜日休みなので、その都度、
みにいっていたのだけれど、なかなか会えなかった。
先週の月曜日、やっと会えた。
なるほど、のたのたしている。
生後三か月ぐらいだろうか。
出没し始めたのは、生後二か月位で、
もっと、足元がおぼつかなかったとか。
わたしは、その日は
バスを待つひとびとが多かったので、
なんとなくはずかしくて、
さも、用事がほかにあって、たまたま
猫を目撃した風をよそおって、
なごりおしかったが、その場を去った。

今日は家人が7時35分頃家をでた。
あと10分ぐらいしたら外にでようと思ったら
「もう、のたろうくん、外におるで~」
とメールが。
あわてて、外にとびだしたら、いたいた。
バスがいったばかりらしく、今日は人があまりいない。
飼い主であろう飲み屋のおじさんは、
発泡スチロールをかかえて裏庭のほうへ。
おそるおそるさわってみようと、かがんだ。
なでると、ひざのほうに、前足をのせてきた。
ごろごろいって、にゃあとなく。
身体があたたかい。
そして、かたい。
そうだ、猫は人間よりも体温が高いのだと
おもいだす。
そして、若いうちは身体がなんとなくかたいのだと。
携帯のチェーンや、わたしの髪に、じゃれついてくる。
いつまでもこうしていたかったが
いったん離れて、そこらへんを一周して、また
戻ってこよう…
そう思って戻ってきたら、のたろう君はもういなかった。
おじさんが、用をすませる間だけだったのか。
時間にして約15分ぐらい。

ちなみに、この飲み屋さん、入ったことはないのだけれど
いつか、扉がもっと全開に開いていたことがあり、
壁に黒猫の写真が飾ってあったのをたまたまみたことがあった。
引きのばしてあって、額にいれてあって。
もう数年前だ。
けれど、のたろう君は、もしかすると、その子供とか孫とか
とにかく血縁かもしれない。
そう考えると、どこかたのしい。

手にまだのたろう君のあたたかさがのこっている感じ。
あえてよかった。






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