Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ストロベリーラブ *36話*

主な登場人物
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
────────────────────────────────────
第三十六章 『 救助してくれる兵士 』

「 …ふぅ。 」

学校に到着し、ひと段落ついていた私。
鞄を机の上に置き、椅子に座る。

( そういえば香理奈…どうなったのかな…。 )

そんな事を思いながら、
iPhoneをポケットから出し、香理奈宛にメールを送った。

『 宮木君とどうなった? 』

後は香理奈の報告を待つだけだ──。

「 っ… 」

ううん、不安になることなんかないっ。
きっといい報告が聞けるはずだからっ──

見たでしょ…宮木君が大急ぎで走ってく姿をっ…。
大丈夫、何も不安になることない、大丈夫だから…。

「 …ねぇ、斉藤さん 」

「 は、はいっ? 」

ボーッとしてる中、隣で声を掛けられた。
そこに立っていたのは、か弱そうな小さい女子。

腰を低くさせ、肩を縮ませ、手を握り締めている──。
まるで小鹿のようだ…見覚えもないし。

「 …あ、あのぅ 」

「 あっ、はいっ? 」

つい見入ってしまうくらい、可愛い。
まるで、お人形さんみたいだ…。

「 え、えとっ。君…長谷川さんと仲良かったよね? 」

「 え? うん。 」

「 よかったぁー、間違ってたらどうしようって思ってたんだぁっ 」

「 え? あ、そうなんだぁ~ 」

安心したようにニコッと笑い、胸を撫で下ろした彼女。
やっぱり小鹿みたいに怖がりなんだな。

本当に小鹿みたい…。

「 …あ、あのっ、それでっ… 」

「 ん? 」

首を傾げ、尋ねると、彼女はまた不安気な顔に戻った。

「 え、えぇと…。長谷川さん…大丈夫だったのかなっ? 」

「 え? 」

「 いや、第二理科室に入ったって聞いたから… 」

「 あ、ああっ… 」

こんなところにも心配してくれてる人がいたんだ…。
皆、何も思ってないって感じだったのになぁ…。

小鹿みたいに繊細で、お人形さんみたいに可愛くて、小さくて…
こんな可愛い子なのに優しいなんて完璧すぎる…。

「 あの… 」

「 へっ? ああ、香理奈なら大丈夫だよっ 」

「 ほっ…本当ぅ…? 」

「 うんっ!!香理奈に伝えとくね。心配してくれてたよーって 」

「 う、うん!!ありがとうっ!! 」

ニコッと可愛い笑顔を見せて、ペコッとお辞儀をした。
ヒラヒラと手を振って、自分の席に戻っていった──。

( 可愛い子だなぁー。香理奈に伝えといてあげようかな。 )

そういえば…名前聞くの忘れてた。

…キーンコーンカーンコーン♪

「 あ、鳴っちゃった…。 」

鞄から教科書やノートを出して、机の中にしまった。

授業が始まって、シャーペンを手に執るが、授業に集中できない。
今だに香理奈からメールの返事が来ないのだ。

( どうしたんだろ、香理奈… )

そろそろ返事があってもおかしくない時間なのになぁ…。
どうしたんだろ…。

「 ──で、それで… 」

先生の説明さえ耳に入って来ない…。
ああ、香理奈…、ちゃんと成功してますようにっ…。

「 …で、あっ、コラッ!!!斉藤っ!!! 」

「 えっ? あっ、はい? 」

「 …今のとこ、読んで。 」

「 えっ!? ええ…ええっと… 」

やばい、聞いていなかった!!!
授業上の空で、ずっと香理奈の事考えてたあああっ!!!

「 斉藤? 読めないの? 」

ニヤニヤしながら尋ねてくる国語の先生。
50歳のおばさんのくせに、やること大人気ないなっ!!

「 うわぁ、また斉藤いじめられてるぞっ 」

「 まあ、目付けられてたもんなあー… 」

コソコソと男子達の声が聞こえてくる──。

そう…国語の先生は何故か私を目に付けてる…らしい。
授業上の空の人とかいっぱいいるし、ノート写してない人とかもいるのにっ!!!

「 斉藤さん? どうしたのかしら? 読みなさい~ 」

うぅぅぅう…あの笑顔めっちゃ腹立つっ!!!

「 センセー、俺が読みますー 」

「 えっ? 」

そう挙手したのは、幼馴染の竜生だった。

「 りゅ、竜生っ… 」

パアッと顔を明るくして、竜生のほうを向いた私。
それにイラついたのか、国語の先生はムッと顔を険しくさせた。

「 ダメですっ!! 斉藤さんに── 」

「 センセーって意外と冷てぇんだなァ。 」

「 え? 」

「 俺、センセーはもっとイイ女だと思ってたぜ。 」

「 えっ!!/// 」

本当に昔から口がうまいんだからっ…。
でも、今はそれが活かされてるからいいやっ。

国語の先生は、顔を真っ赤にしている。
どうやら竜生のルックスと、言葉には弱いらしい。

「 ま、まあ? 高城君がそう言うなら? 」

「 ヘッ、さすがセンセーだぜ。 」

そう言って、竜生は教科書を持って立ち上がった。
私が読むはずだった文章を一回も噛まずに、スラスラ読んでいく…
私だったら絶対に噛んでる…。

「 ──だ。 はい、終わりましたよ。 」

「 ブラボォー!!さすが高城君ね!! 」

「 ハハッ、センセーに褒められたら嬉しいなァ。 」

「 まあっ、お上手ぅ~/// 」

国語の先生は顔を真っ赤にさせ、両頬に手をやった。

「 ヘッ、あの野郎、女の顔になってやがる。 」

「 え? うわ、マジだ。 」

「 ハハッ、こりゃ斉藤を馬鹿にできないくらい面白れぇじゃねぇか。 」

コソコソと話してる男子の会話を聞いて、少し喜んでしまった。
何で私に目付けてるのかは知らないけど、そういうのエコひいきって言うし。
そういうの大嫌いだし、もはや私がされてるしっ──

「 コラアアッ!!!さいと── 」

「 アハハッ、先生ってばどんだけ斉藤嫌いなんだよー 」

「 え? 」

別の男子が大きな声で言った。

「 そんな斉藤の事嫌いならさァ…正直に言えば? 」

ニヤニヤしながら、そういう。
この男子は確か…この先生が嫌いな男子だったような。

もうどうでもいいからとりあえず責めてくれ!!
んで、もういじめないようにやってくれっ!!

そう心の中で、男子を応援していた。

「 いい加減になさい!! 調子に乗らないで!? 」

「 えー?でも… 」

…キーンコーンカーンコーン♪

「 あっ、鳴っちゃいましたねー。ではさよーならぁー 」

「 クッ…覚えてらっしゃい!! 」

そう言って、飛び出して行った。
直後に教室中に大きな笑い声が聞こえた。

「 アハハハッ!!やっるぅー 」

「 えー?竜生こそやばかったぞー(笑) 」

遊び感覚でやってたんだな。
…でも、なんとか助かった。

…ヴー、ヴー

「 おっ 」

丁度香理奈からも返信が来たみたい。

※実話ではありません、(続く)

斉藤苺華
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=37680926

長谷川香理奈
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=37681130


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2013/08/16 15:01
香里奈ちゃんの返信は??
ドキドキですm



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