Nicotto Town



怖かった体験


以前にも書いたと思うが、昔、うちに強盗が入ったことがある。
「○新聞の集金です」とうちの取っていない新聞名を名乗った男をおかしいとは思ったのだ。
「うちはその新聞、取ってませんよ」と言ったのだが「あれ、おかしいな、でもこれには」とか何とか言われてほんの少しドアをあけたら片足を突っ込まれて強引に体が入ってきた。

まいったな。
新聞の勧誘だったか。

と最初は思った。
以前から強引な勧誘を聞いたことがあったから。
けどなんかおかしいとすぐに思った。
なんていうか、空気が粘っこい。
どう表現したらいいか迷うが、変な動悸がして、体が緊張してきた。
それは相手の目つきのせいだろうか。

もしかして、強盗だったりしてね。
家にたいして金目のものはなかったと思うけど、留守番がいるのに襲われるなんて恥だ。
ま、そんなことないだろうけど念のために靴の大きさは私のスニーカーより一回りでかい。
背はわざと猫背にしているけれど、靴箱のここの線くらい。
帽子は・・・髪型は・・・めがねは・・・と観察していき、万一襲い掛かられたら、というところまで考えたところで本当に襲い掛かられた。

一瞬で飛び掛かってきた男に首を絞められる。
とっさに歯を食いしばって首を縮めながら、ひたすらに相手のみぞおちを探す。
一応合気道なんて齧っていたが、だからこそ本気の男の握力で捉まれたら、その手を切るのはほぼ無理だと知っていた。
だから一度組み付かれたらその手を振り切るんじゃなく、一歩踏み込んで鳩尾に肘打ちだ。
というのが直前に考えたプランだったのだ。

結局運もあって私の左肘はうまく相手の鳩尾に入り、男は飛び掛かった分飛んで玄関のドアに当たり、私がしわがれ声ながら「○ちゃん(妹の名)警察呼んで」と叫ぶのと同時に2階がばたついたのに驚いて逃げていった。
叫んだことで締め付けられたのどが痛んでしばらく咳き込み、それからはっとして外に出たときには男は影も形もなかった。

その時はアドレナリンがガンガン効いていたのか、なんですぐに追いかけられなかったかと悔やんだものだが、警察の事情徴収だの、数日後のモンタージュ作成などを終えてしばらくして、首が弱点になっていることに気付いた。
稽古の肩取りの時などに指が首に触れたりすると、体がこわばるのがわかる。
それどころか自転車に乗っていて伸びてしまった髪の毛が首を叩くと首を絞められた指が首のどこに置かれたのかをまざまざと思い出し、ああ、私の体は怖いと思ったのか、意識していなかったけれど命の危機を覚えたのだな、と奇妙な気分になったものだ。

強盗は3ヵ月後くらいに捕まった。
余罪が20件だか30件だかある、強姦魔だったそうだ。

お蔭様で心臓に毛が生えたらしく、その後の外国で夜中に銃声が聞こえても、ホテルが見つからなくて路上生活者の方々と駅前で寝る羽目になっても、そんなに怖いと思わなくなった。
あ、インドで麻薬でラリッているらしい集団に囲まれて色水をぶっ掛けられた時は過呼吸を起こしたので、それなりに繊細さは残っています。

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2013/08/09 22:57
こきりこ様
マジレスすると、首を絞めて意識を朦朧にし、拘束してから料理にかかっていたそうなので、絞殺の線はなかったでしょう。
縛り上げた姉妹の前でもう1人を・・・なんてことまでやっていたらしいです。
私は首を絞められても手を振り払おうとしなかったので「ちょろいな」と思っていたら、思わぬ反撃をされたので驚いて逃げた、と言っていたと後から聞かされました。
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2013/08/09 08:37
えらいこっちゃ…

私なら確実に絞殺されてた!



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