わが教え子、ヒトラー
- カテゴリ:映画
- 2009/08/07 23:28:49
自宅鑑賞メモ。
ユダヤ人監督によるヒトラーの映画。
アドルフ・ヒトラーに演説を指導した教師がいたという史実を下敷きにした映画で、
それが”ユダヤ人”だったというのは、監督の創作だそうです。
「ヒトラーの贋札」のような雰囲気の映画かなと思って観たら、違いました。
ブラックでシニカルなコメディでした。
コメディの中に人間が描かれ、笑いで歴史から目をそらすことなく、
しかし、ヒトラーを、ナチスを、とことん茶化しつつ、
かといってイギリスもののように自虐的な感じがしないのは、ドイツの国民性でしょうか。
主演のウルリッヒ・ミューレ演じるユダヤ人の元俳優で演劇教授アドルフ・グリュンバウムはもちろん、
キャスティングがとても生きている映画でした。
シルヴェスター・グロート のゲッペルスがとてもおもしろかったです。
いちおうこの映画一番の悪役で、大真面目に画策してるのになんだか可笑しくて。
ヒムラーは骨折した手を”ジーク・ハイル”のカタチに上げたままギプスで固定してのシリアス演技で、
これがまた可笑しくて。
ヒトラーを演じている役者さんはコメンディアンだそうですが、こちらもシリアスな演技で、
愛犬のジャーマンシェパードと引きこもり状態のヒトラーは、
まるで愛すべきトラウマを抱えたさびしがりやの弱虫さんに見えてしまいます。
ある程度歴史を知った上で観るコメディだと思います。
この映画がウーリッヒ・ミューエの遺作というのも、感慨深いです。
邦題は、ちょーっとニュアンスが違うかも?
さらにキャッチ・コピーの「狂気の独裁者ではない、ひとりの孤独な人間だった」は激しくズレています。
これではヒトラーを美化したドラマのように誤解されてしまいそうです。
直訳は「我が総統 本当に本当のアドルフヒトラーの真実について」かな?
【MEIN FUHRER - DIE WIRKLICH WAHRSTE WAHRHEIT UBER ADOLF HITLER】2007ドイツ
ヒトラー、ナチス、その官僚機構を笑い飛ばそう、って感じで。
客席も笑いに包まれることが多くて面白かったです。
ミューエさんの遺作、惜しい人でした。。。
>あすかサマ 同じような題材の映画を間をおかずに観るのもいいですね。
>♬ぢゅんぢゅん♬サマ いいですねー♪うちの地域では上映されませんでした。
ナチス・ドイツ関連の映画を最近何本か見ているんですが、
この映画は借りようと思っていたんですがまだ実行に移せていなくて。
ながつきさんの感想も読めたので、これは来週にでも借りてみようと思います。
今は刑事ものとか西部劇ばっかり見ていて(笑)
私も「ヒトラーの贋札」っぽいシリアスな映画だと思ってました。
そうなんですか・・・ブラックなコメディなのか。
ちょっぴり目からウロコでした (笑)
今度チェックしてみます。