「ファナック」の株主総会に行ってきました。


産業用ロボットなどで圧倒的なシェアと利益率を誇り、日本企業の時価総額ベスト２０にも入っている、日本を代表するメーカーのファナック。でも知名度はかなり低い会社です。

というのも、世界的な大企業のわりにIR（広報や宣伝などのアピール）にものすごく消極的なことで逆に有名な企業なのです。

株主総会の開かれる本社、山梨県忍野村はとにかく秘境です。
東京都心からだと、車でも、電車で最寄り駅（富士山駅）まででも３時間はかかります。最寄り駅といってもそこから本社まで歩けるような距離ではありません。株主総会にわざわざ行く人も少ないわけです。

位置はこちら。
http://maps.loco.yahoo.co.jp/maps?lat=35.44686022&lon=138.83786248&ac=19424&az=2.3580&z=16&id=&fa=pa&ei=utf8&p=%E5%B1%B1%E6%A2%A8%E7%9C%8C%E5%8D%97%E9%83%BD%E7%95%99%E9%83%A1%E5%BF%8D%E9%87%8E%E6%9D%91%E5%BF%8D%E8%8D%89-3580

都心から遠いし、単元株価格（ここの株のいちばん少ない売買単位）が高いし、株主総会集中日にやるし、一般的に知られた商品を扱ってるわけではないし。
よほど物好きな投資家でないと行かない株主総会でしょう。


まあ、そんな会社だからこそ私は逆に行きたくなったというわけなのですが。


前日に山梨まで行き一泊し、翌日余裕を持って行くことにしました。
会社は一日しか休めませんので、前日は早めに上がって帰宅し、家から車で中央道を爆走して大月インター→忍野村の隣の富士吉田市へ。
どうでもいいけど前日は山梨名物「ほうとう」をいただきました。めんが太くて食いづらいけどおいしかったです。

さて当日。
富士吉田市のホテルを出発。
晴れていれば富士山がきれいに見えるはずなのですが、この日は朝から昼まで曇り気味。
結局終日見えませんでした。残念。
その代わり山中湖湖畔をドライブしてきました。

９時３０分くらいにファナック本社に入場。電車で来た人はファナックの黄色いバスで送り迎えされるようですが、私は自分の車でファナック構内に入構。VIPでもないのに自家用車で行けて駐車場に止めさせてもらえる株主総会は珍しいです。

中は黄色い建物（多くは工場）と木々の緑に包まれた、不思議な空間でした。
ファナックイエローといわれる黄色をコーポレートカラーとしており、なにかと黄色が目立つ会社でもあります。社用車も制服もコップも黄色でした。
ちなみにホームページの背景も黄色です。　　http://www.fanuc.co.jp/


株主総会自体は平穏に終わりました。
株主はだいたい８０人くらい。
大企業の総会は数百人～千人集まるのが普通ですからびっくりするような少なさです。
大株主のいくつかは実質外国籍の会社で海外の投資家も多いはずなのですが、外国人らしき方は皆無でした。

質問は３つほど。あまり突っ込んだ質問ではなく４０分くらいで終わりました。

すべて議長の稲葉社長が丁寧に答えていました。


このあと、「曙館」という社内展示施設の見学。希望者のみとはいえほとんどの人が参加してました。
曙館はふだんは公開していない施設で、中で見られるのは貴重な機会だったようです。
創業者で先代社長のコレクションをベースに、天皇陛下行幸を記念してつくられた展示施設だそうで。
芸術的価値はいまいちわかりませんでしたが、構内に飾っておくのはちょっともったいない気がしました。

見学のあとは昼食（サンドイッチ）を準備してくれていたようですが、私は時間がなかったしメシを食いにきたわけではないのでパスしました。
ただ、IRに消極的という評判のわりにはサービス良いなと感じました。
広い構内でスタンバイしている係員も多く、事務方の準備が行き届いてるなと感心しました。

夕方までには家に戻りたかったので、富士山を見ることなく忍野村をあとにしました。
ちなみにお昼もまた「ほうとう」をいただきました。

書いてみてよくわかる、観光気分での株主総会出席でした。

どこかの株主総会に毎年行ってる私ですが、ファナックの株主総会は文字通り異色でした。来年また行きたいかと言われると、他に行きたい会社が多いのでちょっと迷いますが、間近で富士山が見られる晴れた日に行けるならまた行きたいです。