Nicotto Town



「花トカゲ」

「シッポがないっ」

トカゲは思いました。

昨日猫に追いかけられた時落としたのだろうか?
寝ている間にスズメに食べられたのかな?
それとも・・・初めからなかったのかも・・・

でも、他のトカゲたちはみんなシッポがあるのだから、ぼくにもあるはずだ。

猫・・・は怖いので、スズメに聞いてみます。
「ぼくのシッポ、知らない?」
「知らないよ。」

チョウチョが来たので聞いてみよう。
「ぼくのシッポ、食べなかった?」
「きゃ~、わたしを食べるつもりねっ」
チョウチョは逃げていきました。

ひどいな~。
チョウチョなんか食べないのに。

おや?
チョウチョがいたお花畑に茶色い長いものがあるぞ。

「これがぼくのシッポかな?」
切れたシッポの先にくっつけてみよう。

うん、太さはちょうど良いぞ。
ちょっと長いし、先っぽにヘンな物が付いてるけど。
でも、自分のシッポなんて良く分からないし、ぴったり合うから、これがそうなんだよね。


しばらくして、シッポがだんだん緑色になっていることにトカゲは気付きました。

あれれ?
なんか変だな~。
でも、緑のシッポのトカゲだっているのかもしれない。
きっと、ぼくがそうなんだ。

トカゲは、そう思いました。
シッポの先のヘンな物が少し大きくなっていたのは気になったけれど。

でも、これがぼくのしっぽ
ぼくだけのシッポなんだ。


それからまた少しして。

「トカゲさん。起きて下さいな」
トカゲは自分を呼ぶ声に目を覚まします。
声のする方に目をやると、小さなな赤い花が、こちらを見つめていました。

「君は誰?」
トカゲは小さなな花に話し掛けます。
「わたしは・・・『雑草』。大きな生き物たちはそう呼んでいたわ」
「雑草」?不思議な名前だな。
トカゲは思いました。

「怖い大きな生き物たちにちぎられて、枯れかかっていたわたしを、あなたが助けてくれたの。あなたがシッポにしてくれて、大切にしてくれたから、こうして咲くことが出来たのだわ」
「どうして君をちぎって捨てたりしたのだろう?」
「分からない。『邪魔だから。みすぼらしいかからいらない』と言ってたわ」
「僕は君を邪魔だなんて想わないよ」
「ええ」
「だって君は、ぼくの大切なシッポなのだから」



もしどこかで、シッポにお花をつけたトカゲを見つけても、決して脅かしたりはしないで下さいね。
お花を落としたりしたら、大変ですから。

いいえ。
大丈夫ですよね。
だって、トカゲはお花をとっても大切にしていますもの。
何があっても、落としたりなんかしないはずです。
・・・よね。



おしまい



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2013/06/26 23:39
今晩ち~ん♪

ごめんなさい~急いでたので~言葉足らずデシタ~
~ゆちゃまを、傷つけてしまって、本当にすみません~m(_ _)m

いつも~可愛いステキな~お話を、ありがとうございます^^
可愛いトカゲさんと可愛い雑草のお花さんのメルヘンが、微笑ましいですね^^
うちに住み着いてるトカゲさんも…よく~水やりとかしたら…
そこら辺から~ピュッと出てきたりして…ビックリしたり~するのですが…
これからは、「しっぽが、あるかどうか」「しっぽが、お花かどうかw」と
トカゲさんを、凝視すると~思います~w
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2013/06/26 21:04
可愛いお話ですー^^
ふたり(?)がずっと一緒にいられるといいですね☆
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2013/06/26 12:41
めっちゃ眠たくて大した感想言えないけれど、
良い物を読ませて頂きました^^
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2013/06/26 12:06
今朝、お庭でシッポのないトカゲと目が合ったときに思いついたお話です。

書いているうちに、何だか違うお話になってきちゃいましたけど・・・

二人がしあわせそうだからよしとしましょう。

(#^.^#)



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