リーマン・ブラザーズ破綻の影に韓国あり
- カテゴリ:勉強
- 2013/06/19 20:57:51
リーマン・ブラザーズの破綻に関してのエントリです。
第一に、リーマン・ブラザーズの破綻はハイリスクな金融商品を開発した
リーマン・ブラザーズに責任があります。
第二に、当時の為政者であるブッシュ大統領が民間への過度な介入を
嫌った点が破綻を決定づけたと結論できます。
そして、第三にサブプライム危機と呼ばれるアメリカ発の信用収縮が
リーマン・ブラザーズに生き残りを許さなかった点を指摘します。
今日のエントリは「韓国がリーマン・ブラザーズを破綻に追いこんだのでは?」
という内容のエントリです。
実は、自分はこのウワサを聞き知っていました。
しかし、ウワサ水準の話を真面目に受取るのは、
物事の正確な把握から遠ざかると考えていました。
ところが、他の調べ物をしているところで、ロイターのニュースを発見しました。
2008年9月10日のロイターのニュースです。
当然ながらロイター社は日本の企業ではありません(イギリス)。
情報源としては隣国の日本よりも客観的であろうと理解します。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-33669020080909?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0
以下引用
米国株式市場が急反落、リーマンは45%安
きょうのリーマン株の下落は、韓国産業銀行(KDB)による
リーマンへの出資協議が打ち切られたとの一部メディアの報道がきっかけ。
その後、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、
リーマンを格下げする可能性があると発表、リーマン株の売りが膨らんだ。
KDB側は、リーマンとの協議についてコメントを控えている。
引用以上
リーマン・ブラザーズ株価推移は以下の通りです。
9月 4日(木)16.73ドル
9月 5日(金)14.71ドル
9月 8日(月)17.62ドル
9月 9日(火)12.92ドル
9月10日(水) 9.15ドル
9月11日(木) 4.47ドル
9月12日(金) 3.84ドル
9月15日(月) 0.26ドル
日付は日本時間
45%株価が下落した時点で、企業として破綻しかありません。
そして韓国の国策銀行「韓国産業銀行」のニュースです。
9月 3日(水)KDB韓国産業銀行(KDB)がリーマン株のうち25%を5-6兆ウォン
(約5200-6300億円)で取得する事を明らかする
http://www.afpbb.com/article/economy/2513266/3286225
9月10日(水)韓国産業銀行(KDB)によるリーマンへの出資協議が打ち切られる
9月15日(月)連邦倒産法11章による倒産
リーマン・ブラザーズという64兆円企業が破綻することは
単純に考えて、日本の国内総生産の1/8が無くなるということであります。
また、リーマン・ブラザーズが世界の社債の引受を取り仕切っていた事が
信用の急収縮を引き起こしたことは、報道でご記憶のとおりです。
リーマン・ブラザーズの破綻により2007年に14000ドルであったダウ平均株価が
7000ドルになりました。
日本では12000円の日経平均株価が7000円台になりました。
最近、アベノミクスの行き過ぎで株価が急落したことがありました。
5月23日に日経平均株価が7.32%下がりました。
それが、日経平均株価の下落ベスト10の10位です。
リーマン・ショックは下落ベスト2位、5位、6位、7位に入っています。
その規模がご理解いただけると思います。
当時の雰囲気はサブプライム危機により、世界中のどの金融機関も余裕が無い状況でした。
アメリカ政府は選挙が近いことから納税者である国民に向け税金の投入を許さない世論でした。
しかし、日本やイギリスなど有力な国の国策系金融機関や、いわゆるメガバンクには
一時的に資金を投入することはできたと考えます。
歴史にもし、は無いですが、もしもKDB韓国産業銀行がリーマン・ブラザーズの件に
絡まなかったら、アメリカの同盟国または有力国の民間銀行に政府保証をつけて
救済することは難しかったろうか、と考えます。
リーマン・ブラザーズ社は多くの資産を切り売りしなければならなかったでしょう。
しかし、倒産を避ける事ができれば、信用の急収縮が起こらずに、多くの投資家そして
多くの企業家を破綻から救うことができたと思います。
この種の交渉は裏表があるものですが、KDB韓国産業銀行が交渉を公にしている時に
他のプレイヤー、つまりリーマン・ブラザーズの株を取得しようという交渉者は
この件から手を引きます。
9月10日に突然交渉を打ち切られても、他の交渉者と交渉することもままならず
週末を迎え、破綻してしまった、その株価チャートがここにあります。
https://github.com/grahesh/Stock-Market-Event-Analysis/blob/master/QSData/Yahoo/LEHMQ.csv
9月9日の12.92ドルは8月20日につけて12.96ドルを下回るものの、
交渉がまとまれば、息を吹き返す可能性のある株価でした。
それが10ドルを切ると破綻に至るまでに必要な日数はわずか3営業日しかありません。
リーマン・ブラザーズが起死回生を目指す崖っぷちの所で、味方にみえた
白馬の騎士に背中を押され崖から落ちてしまう、そんな悲しいお話です。
もっとも、2011年度の段階で輸出依存度が96%(日本は27%)である韓国に
厳しいブーメランが襲ってきたことは、因果応報といえるでしょう。