緑沼の秘密・連載ミステリー(1)
- カテゴリ:自作小説
- 2009/08/05 09:22:28
小学校5年の時だった。
夏休み前で、今年は家族旅行でどこいくの? とか女子の仲良しで
話したりしていた、のんびりした時期だ・・
私が仲良しグループの、みどりちゃんと教室で話していたら、
クラスのひょうきん者で、芸能レポーターみたいに、いい加減な
ウワサ話を流す、黒田君が話に割り込んできた。
「小桃よぉ 白津川の中学校の前にさ、川原に降りれるとこ知ってるだろ?」
「うん、知ってるけどぉ・・」
「あそこにさ、花崗岩っていうんだっけ、岩があってよ。沼があんだよ」
そのへんは、萱(かや)やススキや雑草がいっぱいで、
私もみどりちゃんも・・女子はいったことがない。
ホームレスのおじさんが住んでて、行くと怒鳴られるという話も聞いていた。
「この前さぁ オレのダチの青野たちが探検したんだって。そしたらさ
沼からお婆さんの手がニョキっと出てたんだとさ・・」
「ええぇぇ・・おばちゃんの手・・」とみどりちゃん。
「うん なんか 警察もきたみたいだよ・・」
「ホントなの??」
「なんだ 信じねぇのかよ せっかく 教えてやったのに」
気分を悪くしたのか、黒田君は教室から出ていってしまった。
でも気になって、そのあと、 家の新聞を何日か分見てみたけど、
そんな記事はなかった。
ウチでとってたのは地方新聞だけど、黒田君のいう話は載って
いなかった。殺人のような不審死じゃないと、新聞には載らない
のかもしれない・・。兄のパソコンで、インターネットも初めては
いたけど、私には探せなかった。
それから、10年以上経って、また沼の事件が起きるとは、
そのときのわたしも、みどりちゃんもわからなかったのだ・・。
(続く 第一回了)
今日 もう2回めがありますよん^^