Nicotto Town


TAKEのつぶやき


☆饅頭こわい

この落語は東京と上方の両方にありますが、その内容がやや異なります。上方のものは、寄り合った者各自の恐怖体験がいくつものエピソードとして語られるので、東京のものに比べるとかなり長い話しになります。つまり、上方のほうが内容が盛りだくさんということになります。

【スジ】
若い衆が寄り合って、話をしているうちに一人が恐怖体験を話し始めた。すると、各々が面白がって、蛇、カエル、アリ、オケラ、クモ、ナンキンムシとつぎつぎに恐いものを話し出した(落語家によって内容が異なります)。そして、最後に残った男が「俺は饅頭がこわい」と言い出し、考えただけで気分が悪くなった、と言って隣の部屋に逃げ込む。

普段から少々嫌われ者だったので、この男をやりこめてしまおうという話がまとまり、みんなで饅頭を買って来て、寝ているその男の枕もとに積んで置いた。

しかし、怖がるはずなのにどうも部屋の様子がおかしい。みんなで覗いてみると、ムシャムシャと饅頭を食べている。それを見て一同騙されたことに気づく。

「あんたが饅頭が恐いちゅうから、普段自分らでも食わんような上等の饅頭を...あんたのほんまに恐いもんはいったいなんや!?」

「今度は、濃いぃお茶がいっぱい恐い」

※「饅頭こわい」の歴史
中国は明の時代の『五雑俎』という本に「貧乏書生が饅頭が恐いと言って饅頭屋の主のいたずら心を掻き立てて饅頭をせしめる」という話があります。これが日本に伝わり、『気のくすり』、『詞葉の花』などの日本版『饅頭恐い』が成立しました。その後、上方で練り上げられたものを明治末期に蝶花楼馬楽が東京に持ち込んだそうです。




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