素敵なティータイム
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2013/03/26 03:12:42
アンチーブのお城へ、金曜日に会ったおじいちゃんを探しに行きました。
なんと!おじいちゃんはそこにいました。
「電話したのよ」と言うと、おじいちゃんは、「ごめん電話じゃいけなかった。
私たちは、電話では会話が出来ない。会えて良かった!」と握手。
奥さんとおじいちゃんに誘われ、お宅にお邪魔しました。
丘の上に建つ戸建の玄関には、大きな石のこけしがありました。
「これは私が作ったんだよ」とおじいちゃん。
「ええ~っ!すごい。帯や後ろのリボンまで綺麗に出来ているわ」
奥さんは、ミノと金づちで、打ちつけて掘る真似をしました。
壁の両側には、木彫りの日本人形や桜があり、
「ご覧。ここは日本だよ」とおじいちゃんが言いました。
家の中は、おじいちゃんの描いた絵が沢山飾られていました。
芸者を描いたものもあり、かなりの腕前でした。
私をもてなす準備を2人がしているうちに、持っていた紙に日本髪を結った女性を
描いて見せると、おじいちゃんはとても驚いて、
「絵が描けるんだね。素敵な絵だね。」と奥さんを呼んで一緒に見ました。
即席でさっさっと描いた絵なので、そんなに大した絵では無かったのですが、
フェンシングと絵という偶然は、私とおじいちゃんの中に強い絆を作りました。
そして私たちは仏和と英仏の辞書で会話をし、分らない時は、絵を描いて説明しました。
おじいちゃんは、私の絵をとても気に入り、紙を持ちあげ、眼鏡を取り出してかけると
しげしげと眺め、良い絵だね。君は絵が上手いね。と褒めてくれました。
家族には芸術肌がいなかったので、私の絵もを理解してくれる人がいない中、
反対されても何かの形になるまで通したことが、こんなに時間を経て、
日本からうんと離れた所で、役に立つとは思いもしませんでした。
ものすごく不思議な縁を感じました。
おじいちゃんは、「昔円盤投げで、優勝したんだ」と新聞の切り抜きを見せてくれたり
49年前の日本のフェンシングのレッスン風景を、写真で見せてくれたりしました。
お茶とクッキーも美味しくて、初めてのお宅ではと遠慮していると、もっと食べないとと
ふくれた振りをして笑わせるので、お代りを頂きました。
本当に楽しい夢の様な時間を過ごしました。
ああ!何て幸せだったんでしょう!
住所をやりとりしてから、マンションまで送ってもらいました。
「4月に日本に戻っても、またフランスに戻ってくるんだね?絶対だね?」と
おじいちゃんは念を押し、ハグして別れを惜しみました。
今おじいちゃんの家を思い出し、緑が広がる庭に面した、光こぼれるアトリエで、
私もおじいちゃんと並んで絵を描き、作品を作ってみたいと心から思うのでした。
おじいちゃんに、着物姿の芸子さんの絵を描いてあげたいのですが
ここには、Gpenはじめ絵の具も何も無いのです。
今回に限って、千代紙も何も持っていないので、
お人形も作れず、う~んどうしたら、あの優しくて親切なおじいちゃんを
喜ばせてあげられるんだろうと、頭を悩ませています。
わらび餅や葛餅のセットを持ってこようと思いながら、
持って来たのが杏仁豆腐だから、日本のお菓子じゃないし・・・。
それ以前に、いつもいつも思いながらやらないフランス語の習得を
今回は痛烈に反省。まぁ主人が「こっちで暮らす訳じゃないから、
余分なお金かけて習う必要ないよ」と言ったので、
お金をかけないラジオ講座などをやってみたものの、
相手がいなくて結局続かないんですよ~~~(T_T)
四季さん相手をしてくださ~いw
つくよみさんは、家族に恵まれていないの?
年齢重ねると、両親から独立して、
自分で家族作っていかないといけないですものね。
つくよみさんに、あたたかな家族が出来ますように(^_-)-☆
小さなキャンバスを持っているので、日本の風景や芸子さんを
描いたものをあげたいのですが、こちらは絵の具が高いです。
去年200円ショップで買った絵の具と、色鉛筆は色が出ないという(中国製)
信じられない不良品で、使い物にならないし、かといってあと2週間で帰国なのに
絵の具揃えたら、主人は怒るかな~と何とかならないものかと考え中です。
いっそおじいちゃんのアトリエに行って、絵の具を使わせてもらいたいくらいですww
家がもう少し近ければいいのですが、
徒歩では絶対無理な距離なので、私がもう少しフランス語を勉強して、
電話などで気軽にお誘いできるようにならないと・・・と思います。
南フランスでは、駅付近はあまり高級な土地ではなく、
高台に行く方が、高級な住宅街があるようです。
日本は駅付近は高く、ごちゃごちゃしていて、
駅から離れるほど、土地は安くなるという反対の状況ですねw
今回は日本風の物を何も持って来なかったので
少し残念に思います。いつものように千代紙を持っていたら
お人形作ってあげるのに・・・。
海外に行ってもたやすくお友達を作れてしまうんですね☆
旅先での買い物や、綺麗な風景に身を置くのも良いけれど、
やっぱり人との出会いは新鮮ですし、ステキな思い出になりますよね
今後の作品が楽しみですね^^
Lily✿さんとともに時間をすごした時間は、おじいさんにとっても
貴重な楽しい時間になったでしょうね。
これから、おじいさんは✿Lily✿さんの絵を大切にして、また
✿Lily✿さんに会える日を首を長くして楽しみにしているのだと思うと、なんだか心温まります。
縁って不思議ですね。
まるで映画のワンシーンのようです。見知らぬ地に溶け込むということの
すばらしさをこうやって文字にして伝えて下さってありがとう。
欧州という地での日本人という位置づけは人によってかなりまばらです。
親日家もいれば嫌悪感でいっぱいの人もいます。外見だけでは判断出来ませんが、
何度か邪険にされ、あ、日本人が嫌いなんだ、と心のなかで思ったものです。
もっとも数十年も前の話ですが……。
多くのすてきな思い出を抱えた老夫婦の心の宝箱エピソード、楽しみにしています。