雨がくれた贈り物 #37
- カテゴリ:自作小説
- 2013/02/15 20:12:46
✿主な登場人物✿
・山中 美優…心優しく、可愛らしい女の子。身長が小さく150cm。主人公
・山中 竜斗…すごくチャラ男。女遊びが激しい。すごくモテ男。
・北島 美咲…美優の幼稚園からの幼馴染で親友。
・大森 真…竜斗の親友。いつも竜斗といる。
・福田 秋…美咲と同じバスケ部。 頼りになる副キャプテン。
・ケミィ・マリー…モデル。 すごく怪しい…。
・山中 咲…美人な竜斗の姉。 竜斗とは雰囲気が違うが、似ている。
第三十七章 『美咲の立場』
「温かいココアよ、冷めないうちに飲みなさい。」
先生はそっと温かいココアを差し出した。
「……すみません、ありがとう。」
先生はニコッと微笑んで
「落ち着いたら話してね、美優ちゃんの事…」
「ああ、はい・・・」
と答え、美咲は温かいココアを口にした......。
すると先生が急に プッ と吹き出した。
「えっ、何ですか!?何か変でしたっ…!?」
「ああ、ごめんごめん、違うのっ。ココアの飲み方が真君と同じだったからついっ…」
「えっ・・・?真・・・?」
先生はすごく優しそうに微笑んで
「やっぱり似るのね、お互い強く想ってたら…。」
そういわれて顔が真っ赤になった…。
「やっ、やめてください!!//////////」
恥ずかしくなって熱いココアを一気飲みした。
「あつっ・・・・!!!」
舌をやけどした美咲を見て先生は笑いながら
「動揺しすぎでしょ~まったく、カワイイわね~。」
と、いいながら水を渡してくれた。
「すっ、すみません・・・」
「そういえば最近会ってるの…?真君と…」
「あっ…そういえば…」
今ふと思えば真には会ってなかった…。 そう思った美咲は
「よしっ、真に会おう!そうすれば気持ちが吹っ切れるかも!」
「あらー、ラブラブなこと~」
「ちゃかさないでください!!」
と、ツッコむ美咲を見てフッと微笑んだ先生は
「もう話せそう…?」
「……はい、いけそうです…。」
そっと座った美咲はゆっくりと口を開いた。
「美優と竜斗は付き合ってるんですけど…竜斗ってば女ったらしでしょ?」
「まあ…学校内では有名よねぇ…」
先生にまで広まってるくらい…と言うことはどんだけ女ったらしなのか…。
という疑問はおいといて
「うん、だから美優は本当は嫌いだったんだけど…雨の日に出会わせちゃったんだよね
2人を…そこから美優ってばはまっちゃったみたいで、2人は付き合いはじめたってわけ」
「ふぅん・・・」
「でも問題はここから。やっぱ今は本気で恋してるからって今までやってきた竜斗の数々の軽い恋は消えることなく残ってたのよね~…。まあ、ほかの子たちはあっさり軽い男なんてって感じで忘れてるみたいだけど…一番引っ張ってるのが竜斗の幼馴染の秋なんだよね…」
「えっ、何それ、チョー修羅場じゃん!!」
なぜか取り乱してきた先生…。
「えっ…ええ、まあそうなんです。秋ってばあんな軽い男なのにやっぱりずっと信じてきてたみたいで…。秋と付き合ってたくせに浮気しまくってキズつけてきた・・・・。それを耐えてきたのに、”いきなり本気で美優に恋しちゃいましたので別れてください”なんて無責任なこといいだして…それで秋が今怒って竜斗にキレちゃってるんですけど…なんかソレが
美優にもきちゃったみたいで…竜斗が全部悪いんですけどね…」
ガックシと頭を落とす美咲。
だが、先生は冷静な顔をして
「まあ、男なんてそんなもんよねぇ…特に竜斗君はイケメンだし~?」
「イケメンだからって何でもしていいんですか!?コレだからイケメンは!!!」
「あら、あなたの彼氏もイケメンじゃないっ」
突撃なツッコミを入れられ、そくダウンした美咲。
「ま、でも竜斗君が招いた問題ってのは間違いないわよね」
「そうですよねぇ!?」
一気にテンションがあがった美咲。
「ええ、まあ…。 まあ、美優ちゃんに行くのも間違ってるけどね…」
「…そうですけど、秋の気持ちもわからなくないっていうか…なんていうか…」
「まあ、しょうがないわよ。でも聞いてるかぎりあなたが悩むとこはないんじゃないかしら?」
そういわれると、急に辛い顔を浮かべた。
「そ…の…。私…見ちゃったんですよ…。」
「見ちゃったって…何が…?」
目を泳がせながら美咲はゆっくりと口を開き
「竜斗と…ケミィちゃんが…取引してるところ…。」
「えぇ?取引ぃ?嘘よっ…あのケミィちゃんがっ……」
「残念ながら本当なんです」
ガラッとドアを開けて急に入ってきたのは
「さっ…咲さんっ…」
だった。
「いや、外から美咲ちゃんの声が聞こえたからさ…。 このメモみてほしくて」
と、竜斗の部屋で見つけたメモを見せた。
「何コレ…やっぱ取引だったんじゃん…」
「私このメモ持って教室乗り込んでくるわ!」
「お願いします!助けてください!」
咲は風のように早く走って行った。
「頼もしいお姉さんねぇ…」
「はい、竜斗のお姉さんなんですけどね…」
-教室-
まだザワザワしている…。
そんな中、おかまいなく教室に入った咲。
「失礼します、皆に見せたいものがあって入ってきました。」
「姉ちゃん!?」
咲は黒板にバンッとメモを貼って
「こんな事するクズが許せなくて犯人を知り合いに頼んで絞りだしました。でもそんな風にクラスで暴露するのは好みません。まあ…暴露するまでもないですけど…」
と、ケミィを睨んだ。
「・・・・ちっ」
「舌打ちをする暇があったら今すぐ土下座したらどうかしら?」
「うるせぇ」
「まあ、そんな言葉も使うのね、アンタ”雇われの身”のくせになんでそんな勝ち誇ったような顔を浮かべれるワケ?」
ケミィは驚いた表情をしている
「そんな…ことまで探りだせたっていうの…?」
「依頼主を暴露してあげましょうか?そうしたらあなたの報酬全部消えちゃうねぇ~?」
「…ふざけんじゃないわよ」
すごい顔で睨むケミィ。
「……依頼主、自分で言ったほうがいいんじゃない?」
まるでクラス全員に言ってるように言う。
そう、咲は本当は”依頼主をわかっていなかった”。
だが、単純なのか、依頼主はガタッとすぐに立った・・・・・・・。
「えっ…”秋”…?」
「もうこんな重荷背負うのんも…辛いし…。 私です、ケミィを雇ったのは。」
「・・・・・・・・秋なんで」
「全部オレが悪いんだよ!」
「今さら優しくしないでよ!!!!!」
秋が叫んだ。
「あなたは私を裏切った…」
秋は涙を流した。
「秋っ…」
「だからって何してもいいってワケじゃないと思うけど…黙ってらんなくて…ごめんなさい…」
秋は脱力して、その場に崩れ落ちた
「竜斗、アンタは家に帰ってから史上最強の説教ね、あと秋…あなたを恨まないし怒らないわ」
「へっ?」
咲は秋のとこまで行って、背中をさすりながら
「あなたの気持ち、痛いほどわかるもの…竜斗が酷いことしてごめんね、辛かったわね」
「咲ちゃんっ…」
秋は咲にギュッと抱きついた。
教室は暖かい雰囲気に包まれていった・・・・・。
ケミィは大きく伸びをしながら
「あ~あ、つまんねっ!もういいやぁ~」
と、つぶやいてドアのとこまで行った
「待って!!!!報酬・・・・・」
と、秋が言いかけると
「いらなーい、アンタからなんかもともといただく気なかったし」
「えっ・・・・」
ケミィは優しく微笑んで教室を後にした・・・・。
そして廊下でそっと胸に手を当てて
「つまんないのは自分だって…本当に今回の仕事で教わったわ。」
と、つぶやいた
※実話ではありません(次で最終回ですっ!)
早いですね‼
いや、長かったですねww
咲さん、めっちゃナイスですね!(^^)!
次回色々謎が解けるんでしょうね☆
楽しみです(*´▽`*)