自作小説 『チョコレート国物語外伝』 その3
- カテゴリ:自作小説
- 2013/02/11 15:38:41
※その1,2を読んでいない方はそちらからお読みください。
その時、近くで獣の鳴き声がした。マユリアンたちは身構えた。
「カミリア。ここには危険な動物がいるのか?」
「私はまだ遭遇してないけど、魔王ビターの手下の魔物が住んでいるかもしれない」
ガサガサ……ガサガサ……。近くに何かいる! マユリアンは剣を抜き、辺りの気配を探った。
その時……、ガサッと何かが茂みから飛び出してきた。マユリアンは咄嗟に剣を向けようとした。
「待って!」
カミリアの声でマユリアンは踏みとどまった。
「キュ~キュ~!」
なんと飛び出してきたのは……、チョコ動物だったのだ。愛らしい鳴き声でカミリアになついている。
「ふぅ。びっくりさせるなよな……。でも、何でチョコ動物がこんな森に? ここには甘いものなんて無いだろうに」
「偶然、こっちの方にも迷い込んできてしまったのかもしれないね。この変な森のせいでこの子達の鳴き声も変な感じで聞こえたのかもしれないね」
チョコ動物も寂しかったのだろう。カミリアの腕の中でしきりにキュ~キュ~と鳴いている。
「……なぁ。カミリア。やっぱり俺は国を出ることは出来ない」
「そう……」カミリアは俯いた。
「でも、かと言って、やっぱりお前をここに置き去りには出来ない」
「でも、私っ!」マユリアンはカミリアを制した。
「その……、なんだ……。恋愛とかよく分からないけど、俺はお前のことは大事に思ってるんだ」
「マユリアン……」
「俺の進言でどこまで出来るか分からないけど、食事のことは王子様を通じて何とかしてもらうよ。それにアリス様の事もな。今はちょうどいい機会かもしれない。魔王ビターのおかげで甘いものが無くなってしまったのだから。そうだ。この機会にカレーを作ってあげたらどうだ?」
「激辛カレー? そんな事したらアリスに私の首が飛ばされない?」
「アリス様はそんな非道な方ではないと思うよ。でも、激辛はやめておいた方が良いかもしれないな……」
「でも、カレーにチョコレートの隠し味はつきものだしねっ! 良いかもしれないっ」
カミリアは顔をほころばせた。マユリアンはそれを見て少し安心した。
「キュ~キュ~!」
「さあ。チョコ動物もお城に帰りたがっている。一緒にお城に帰ろう」
「うん……」
そして、二人は連れ立って森を抜けた。もう日が暮れようとしてた。マユリアンはチョコ動物を見た。カミリアの腕の中で可愛らしい寝息をたてながらぐっすりと眠っていた。
「こいつのおかげで、今日もチョコ動物の探索に行ってきたことに出来るな。1匹だけども……」
「なぁ、カミリア」
「なに?」
「もし……、もしもだけど、お前がカレーを振舞った事でアリスの逆鱗に触れて、ひどいことされようとしたら、俺が絶対に助けてやる。たとえ、王子様も国の皆も敵に回ったとしても、俺だけはお前を絶対に守るよ。そんときは一緒に国を抜け出そう」
「マユリアン……。嬉しい。その時はこの子も一緒にね」
「きゅ~きゅ~♪」いつの間にかチョコ動物は起きていた。
「そうだ」カミリアはポンと手を叩いた。
「もうすぐバレンタインよね。マユリアンにはチョコレートの形をした激辛カレーを作ってあげる! 友達にベニって言う食材を激辛に変える魔法が使える魔導士がいるの。彼女にも手伝ってもらって作ろう♪」
「ははは……。お手やわらかに頼むよ。むしろ、そのベニって奴は、この国にとっては魔王ビターよりも要注意人物かもしれないな」
そして、二人はチョコレートの国へと帰還した。チョコ動物を見つけたこともあって、マユリアンたちはお城からは何も咎められることはなかった。王子もマユリアンに感謝し、前よりも強い信頼関係で結ばれる事になった。しかし、マユリアンの心はカミリアのこともあって少し複雑であった。
ある日の晩餐。お城に異色の食事が振舞われた。魔王ビターのせいで甘い食事はなくなり、ずっと味気ない食事ばかりであったが、その日の晩餐で出されたものは香ばしい香りのする黄金色のカレーであった。マユリアンの隣で同僚のダニエルがゴクリと唾を飲み込んだ。
「何なんだ。この料理は。だが美味そうだ」
どうやら皆、カレーのことは知らないようだった。カレーはマユリアンたちの村に異国から伝わってきた料理だったのだ。
マユリアンは恐る恐るカレーをスプーンですくった。マユリアンは事前に今日の料理のことを王子に進言してアリスにも了承は得てはいた。だが頭では分かっていたものの、どうしても恐怖感だけはぬぐい去ることは出来なかった。マユリアンは意を決してスプーンを口に運んだ。
う、旨いっ! まろやかなコクと香ばしい香り、そして何よりもマユリアンにとっては懐かしい故郷の味であった。少しピリッとした辛さも食欲を引き立てる良いアクセントであった。
どうやらベニという魔導師は手加減してくれたようである。これならばアリスの逆鱗に触れることは無いだろう。おそらく。
そして、後日、アリスもまたあのカレーにいたく感激したという王子様の話を聞いて、マユリアンはほっとした。
とりあえずは今回のカミリアの逃亡に関する事件はこれにて一件落着した。しかし、マユリアンにとっては別の問題が浮上していた。あの件以来、やはり王子のカミリアに対する思いが強くなったのだ。事あるごとにマユリアンにカミリアとの仲介を頼んでくるようになった。カミリアはカミリアで王子には気が無いようで、むしろマユリアンに対する思いを募らせていた。
そんな二人に板挟みになりながら、マユリアンは今日もチョコ動物の搜索へと向かった。
「……と。こんな話は貴方にしか言えませんね」
マユリアンはチョコ動物の搜索の休憩中にこの捜索隊のリーダーである、まゆほんに身の上話を打ち明けていた。
「君も大変だな。モテモテなところはちょっとイラっときたけどもね」
「心外ですよ。俺はそんなつもりじゃなくて……。でも、王子様とカミリアの件でこれからどうなっていくのか。考えるだけでも胃が痛いです」
「うんうん。聞いていて、とても興味深いよ。進展があれば是非聞かせておくれ。小説の良いネタになるからさ♪」
「小説のネタ……。そんな……」
「ああ、そうだ。今聞いた話、今度の小説のネタにさせてもらうからよろしくね。これで君も有名人だ♪」
「ま、マジっすかぁ~~!?」
チョコレートの国の森にマユリアンの悲痛な叫び声が響き渡った……。
チョコレートの国の騎士マユリアンの物語は続く……、かもしれないw
故郷の料理がカレーですものねw
インド人の移民の村だったかもしれませんねw
真面目なばかりで恋をないがしろにする・・・、
まるで僕の事を言われているようで痛いw
辛いものを食べると、甘いものが引き立ちますよ♪
まじめなばかりで、恋をないがしろにすると、後悔しそうですね。
読んでくれてありがと~♪
そうですよ~。庶民派ストーリーを目指してますものw
女慣れww マユリアンは純朴な子なの!
何だか「エイドリアーン!」みたいに聞こえるww
美味しく伝える文章は難しそうだよね。カレーならまだしも、他の料理は無理だわw
ファンタジーなのに庶民の匂いがするよ~キムチとか食べたいよ~w
マユリアーン!!!!
今度作る時は、おもっきし、女慣れしたマユリアン見て見たいよ^^bb
最後はお約束(?)のベニも登場でw
食べ物の表現がいいね!お腹減っちゃったwカレー美味しそうw
これは意外だったけどw本人登場ねwwまたイベとのコラボ楽しみにしてまぁす♪
文句言われたときは、僕には言論の自由があるって主張してやらあw
小説を書くではなく、妄想するというのが、僕の趣味ですからねw
最期の登場ビックリした?ふふふ・・・。
次の黒ガチャ『チョコレートの国のシンデレラ』を見て、またもや、
妄想してしまいそうになるw
さあて、どんな風に改悪してやろうかな~っとw
むしろあのイベントからここまで話を作って広げられるのは凄いと思います^^
最後まさかのご本人に驚きましたがww
そして、やっぱり長くなってしまった・・・w
今回はギャグ要素を入れて一応恋愛モノにしてみましたw
これが僕の限界です。まぁラノベっぽいノリにはできたかなと思いますw
でも、ギャグ系を書いている方が面白いわ~。書いてて楽しい!と独りではしゃいでいるだけですがw
書いてて思ったけど、王子とかアリスとかキャラ崩壊してるし、運営陣から文句言われないかな・・・?w
そう思って最初に断りを入れたのですが、もしかしたらこれは期間限定かもしれないねっww