Nicotto Town


まゆほん課長の徒然日記


自作小説 『チョコレート国物語外伝』 その1


※この物語はニコッとタウンで開催中のイベント『ニコッとクエスト』とは一切関係はございません。同名のキャラクターが登場するかもしれませんが、全てパラレルワールドでの出来事だと思ってください。
※また、一部キャラクターの性格が異なっているかもしれませんので、それでご気分を悪くされる方がいらっしゃれば読むのをお勧めしません。全てまゆほんの妄想ゆえ、ご了承下さい。

『チョコレート国物語外伝 ~騎士マユリアン~』

 ここはチョコレートの国。今や、お城はチョコ動物たちがいなくなってしまったという事で、お城の人達はてんてこ舞いになっていたが、そんな大きな問題?に隠れて密かに事件が起きていた。

 チョコレートの国の騎士であるマユリアンは、今日も動物たちを探すために森へと出発しようとしていた。しかし、出発する時に後ろから呼び止められた。

「マユリアン。ちょっと来てくれ」

 マユリアンは驚いた。それはこの国の王子様だったのだ。去年、助け出されたアリスと良い仲になったのだが、王子様はアリスにベタ惚れしてしまい、この国の執務もアリスに奪われてしまっている状況なのだ。だからこそ、今やアリスの鶴の一声で、お城の全兵士が動物探索へと駆り出されているのである。しかし、マユリアンは、アリスではなく騎士として王子に忠誠を誓っていた。王子の命令ならば何でも聞くつもりでいたのだ。マユリアンは王子の部屋へ迎い入れられた。

「こんな話、他の誰にも出来ない……。君だからこそ伝えることが出来るのだ、マユリアン」
「王子様。何なりとお申し付けください」
「実はな。昨日から城のメイドのカミリアが居なくなってしまったのだ」

 マユリアンもカミリアの事は知っていた。元々同じ村の出身であり、彼女のことは子供の頃から知っていた。垢抜けていないが、それでも気立ての良い女性であった。そして、居なくなってしまったとはいえ、なぜ王子が城のいちメイドに過ぎないカミリアのことを気にかけているのかマユリアンには何となく分かっていた。

「私が直々に搜索に行きたいのは山々なのだが。こんなこと、あのアリスの耳に入ったらどうなる事やら……。想像するだけで恐ろしい」

 王子はアリスの尻に敷かれていたのだ。しかし、マユリアンの口からは到底言えないが、悪く言えば女癖の悪い王子(いや、むしろ王は多くの女性に優しい寛大な人間なのだと、真面目なマユリアンは心の中で思った)は、メイドのカミリアにも執心していたのだ。

「分かりました。王子様。すべてこのマユリアンめにお任せ下さい」
「おお。頼んだぞ。マユリアン。お前だけが頼りなのだ」

 マユリアンは重大な任務を与えられ、意気揚々としてカミリアの搜索へと旅立ったのだ。そして、この日だけはとある旅人のチョコ動物捜索隊のチョコ従士が一人少なくなってしまったのだ。

 マユリアンはお城の人たちの情報を元に、チョコ動物捜索隊が入っていく森とは別の方角の森へと足を踏み入れた。
 動物たちが逃げ込んだ森はハート型の木の実や、チョコレートの花、美しい蝶蝶などが居て、とても素晴らしい景色が広がっていたが、一方、マユリアンの入った森はそれとは真逆で鬱蒼としていて、見たこともない異色の植物、気味の悪い虫が蠢く、不気味な森であった。

 こんなところにカミリアはなぜ来たのだろうか、誰かに脅されてきたのだろうか、情報からはカミリアが一人でこちらの方に歩いていく姿が目撃されただけであった。
 マユリアンはこんなところに一秒でも長くいたくなかった。勇気を振り絞り、マユリアンは森の奥へと進んでいった。




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