「雨の妖精たち・・・節分の巻」
- カテゴリ:30代以上
- 2013/02/03 14:29:32
「鬼は~外」
「福は~内」
街に元気な声が響き渡ります。
「えいっ」
「痛っ」
「何すんだっ」
ナオが豆を投げると、何もないところから声がします。
「そんなところにいたんだ。気付かなかったよ~」
姿を現した妖精たちに、ナオが笑いながら言います。
「嘘つけ。絶対わざとだろ」
「そうだ~。ペット虐待・・・」
「それはもういいっ!」
「あう~・・・」
「で、何してるわけ?いつも部屋を散らかすなってうるさいくせに」
「そうだそうだ~。自分だって散らかしてるくせに~」
床に蒔かれた豆を指さして、妖精たちが言います。
「これはね~・・・」
節分の説明をはじめるナオ。
「だから~・・・」
「ふーん、人間ってバカなんだね~」
「オニなんているわけないのにね~」
(自分達のことを棚に上げて・・・)
そう思いながらも説明を進めます。
「それで~、豆を食べると~・・・」
「食べる?」
「食べ物なの?これ」
「それを先に言えっ!」
「ちょうだいっ!」
「はいはい」
苦笑しながら手に持った豆を差し出すと、妖精たちは豆をほおばりはじめます。
「ボリボリ。結構美味しいね」
「むしゃむしゃ。投げるなんてもったいないよ~」
「あのね~。豆を食べるのは歳の数だけだからね~。あなた達、いくつなの?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「ひょうへいひほひはんははんへいはひ!」
「ひょうは~。へひいひほひほひふほはひふへひはほ~」
何を言ってるのかさっぱりです。
「食べるかしゃべるか、どっちかにしなさいよっ。汚いな~」
口から食べかすを飛ばす妖精たちにあきれながら、ナオが言います。
「ボリボリボリ・・・」
「むしゃむしゃむしゃ・・・」
「あなた達、豆を食べるのもいいけど、これもあるんだからね~」
そう言ってナオは、妖精用に作った、細い恵方巻を取り出します。
「なにそれ?」
「ちょうだいっ」
「どうぞ。元々あなた達用に作ったんだからね」
「気が利くじゃない」
「うむ。褒めてつかわすぞ」
「何言ってんだか。これは恵方巻って言ってね、あっちを向いて食べるんだよ」
妖精たちに恵方巻を渡しながら窓を指さすナオ。
「は~い。あ、豆はとっておいてね」
「は~い。またあとで食べるんだからね~」
「はいはい。そうそう、恵方巻は食べ終わるまで・・・」
「むしゃむしゃむしゃ・・・」
「ばくばくばく・・・」
(・・・って、言うまでもないか)
(こんな節分は何年ぶりだろう・・・)
頬杖をついて妖精たちを見つめるナオ。
窓の外は雪。
曇り始めた窓に、三人の笑い顔が映っていました。
おわり
おお~
こんなところにお仲間が
(#^.^#)
いつもありがとう♪
妖精たちの大きさですが
特に決めてはいないんですよね~。
わたしは、手のひらに乗るくらいの大きさをイメージして書いています。
恵方巻は・・・
鉛筆くらいかな~。
そのあたり、結構いい加減です
(#^.^#)
時々小さいおじさんとか〇〇の妖精さんとかいたら楽しいよね〜とか思ってしまう。。。やばい??
おぉ~久しぶりの~妖精さんとナオちゃんの物語~^^
妖精さんが、いつも可愛くて~大好きです^^
妖精さんが無邪気に豆まきを、「初体験」(?)して…楽しんだ様子が思い浮かんで…
思わず私も~笑顔になります^^
妖精さんって~お豆さんを、食べれるのね~^^
でも1つ疑問…私が過去に読み落としを、してるかも…ですが…
妖精さんってどれくらいの大きさなんだろう~?
妖精さんの恵方巻の大きさが気になりましたw
・・・なのですが
この二人、「雨の妖精」と言うより、ただの「食い意地の張った妖精」になってるような気が・・・
ま、いっか~(#^.^#)