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日々reco新聞


近隣窮乏化政策

この政策、昔々にとられたので、忘れられた方も多いと思います。
押入れの奥とか倉庫にしまってある、骨董品のような印象です。
これがニュースで取り上げられたので、ちょっと書いてみます。

結論を先に書くと、れこは通貨の高低いずれかを賛成することはありません。
(できれば海外旅行やワインの為に円貨が高いほうが望ましいのですが・・)
以下近隣窮乏化についてのニュースを御覧ください。

英有力紙が円高是正に理解=独連銀の「戦争」警告批判
 【ロンドン時事】英有力紙フィナンシャル・タイムズは24日付の社説で、
ドイツ連銀(中央銀行)のワイトマン総裁が日本政府の日銀に対する金融緩和圧力を懸念し、「通貨戦争」の誘発を警告したことについて、「誇張だ」と批判、
その上で日本側による過度な円高の是正に理解を示した。
 同紙は、円は依然として金融危機以前よりも「高い水準にある」と指摘。
最近のユーロ高は、「日銀の(金融緩和による)近隣窮乏化政策よりも、
欧州中央銀行(ECB)がユーロ崩壊のリスクを除去する措置を施した結果だ」と強調した。(2013/01/24-20:55)

時事通信より引用

中国国営新華社通信が22日発表した論評は日本が決定した緩和策の危険性を警告、
「このような近隣窮乏化政策を進めれば、他国も追随せざるを得なくなり、
世界的な通貨戦争が巻き起こる可能性がある」と危惧した。

ウォールストリート・ジャーナルより引用

日本の通貨「円」が安くなることによって、
他国と貿易する際の条件が変わってきます。

日本と競合する製品を作る国々は日本の円安を心配しています。

日本の通貨が安くなるのは安倍首相が安くしましょうという
政策をとろうとしているだけでは有りません。
原子力発電所を全て止めたため、石炭、石油、天然ガスなどの輸入が
増加し、世界相場を押しあげ、それでも輸入しているので、
貿易収支が赤字になりました。
2012年の貿易収支は7兆円の赤字、つまり毎月5500億円ほど
貿易で赤字となっています。
赤字の通貨が価値を維持することができるとは思えません。

この背景があってこそ、安倍首相の施策が生きるというものです。

2008年8月、1ドルは109円、1ユーロは163円、1元は15.5円、1ウォンは1.1円でした。
2012年8月、1ドルは 78円、1ユーロは 97円、1元は  12円、1ウォンは0.7円でした。
4年間でドルに対して1.4倍、ユーロに対して1.68倍、
元に対して1.29倍、ウォンに対して1.57倍高くなっています。

2008年9月にリーマン・ショックがありました。
各国の経済が大混乱に陥ったのはまだ記憶にあたらしいと思います。
日本がわずか4年で生産性をユーロに対して1.68倍改善したのではありません。

あの時、市場介入、通貨操作はやめましょうと主要国で合意をしたはずです。

結局、日本だけがその約束を守ったというのが、上の数値をご覧になって
わかると思います。

他の条件がすべて同じならば、
2008年と比べて
アメリカ製品は29%のディスカウント、
ユーロ製品は59%のディスカウント、
中国製品は23%のディスカウント、
韓国製品は37%のディスカウントをしたということです。

2008年に200万円のドイツ製の車があったとして、
2012年にはその車、118万円で日本で売れます。

2008年に10万円の韓国製テレビがあるとします。
2012年に6万3000円となります。

これでは産業が成り立たないと思います。

近隣窮乏化政策というのは、世界の主要通貨が
「日本に対して」過去4年間に執ってきた政策であります。

ユーロを168円に戻すのではなく、
せめて130円位に戻してもいいのではないか?と思います。

安倍政権は円の価値を下げたいと言っているのではなく、
デフレを収束させ、適度なインフレにしたい、と主張しています。

ダボス会議では、日本の意見を正確に述べたほうがいいでしょう。

安倍政権のスタートは株式市場を見ても分かる通り、
非常に良い立がりです。
今後の手柄は安倍政権のものですが、
今の立ち上がりは倍政権の努力ではありません。

民主党の苛政の後なら、誰がやっても良くなるだろうという、
期待感であると、推測します。

民主党の(負の)力は大したものだと感心しきりです。











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