とあるオカメインコの自伝 その8
- カテゴリ:自作小説
- 2013/01/10 17:19:52
勝手に私の飼い主になった人間いわく、私をぶちこんだ籠は、オカメインコ三羽が限界の大きさだった。それでも、飼い主は私に試練を与えることに躊躇しなかった。
私は先住のおじさんやおばさんインコに同情する気はさらさらないが、彼らとて未確認物体の私の存在は煙たかったのだと思う。
しかしーぶちこまれたならーそこで自分の場所を確保するのは、飼われオカメの基本中の基本。
「若気の至り」とかともいうらしいが、私は先住オカメを威嚇して、時にはつつきあい、そして自分の場所を確保した。
世代間ギャップで先住の二羽は私という存在で、親密度を増したようである。気付けばー生まれて8か月、この家に来て半年がたっていた。
飼い主は私の背骨の曲がりを確認しながら「卵うまないといいんだけどね」と意味不明なことを何回もつぶやいた。
そんなある日。なんぞ白い丸い物が籠の底に転がっていた。先住オカメのおばさんが
「ふう~」と一仕事終えたような顔でおじさんインコに毛繕いしてもらっていた。
「あ、産んじゃったんだね」
あちゃーという顔で飼い主はおばさんインコを見ながら、
「こんだけべたべたしてれば、そうなるわなぁ」
そう言うと、今度はおじさんインコにも目を向けた。
私が占領した分、おじさんインコとおばさんインコの物理的な距離も精神的な距離も縮まったせいだと飼い主はつぶやいた。
私には飼い主が何をいっているのかさっぱりわからなかったが、その白い物体を見るとなぜかとてもなつかしく切なくなった。不思議なことにその未確認物体にオカメ特有の警戒心も働かないばかりか親近感すら覚えた。
そんな私を飼い主は心配そうに見つめていた。
(つづく)
でも待っててくれるの、感謝です^^。
3って人間も含みますが面白い関係になると思います←当事鳥突っ込みw
かいじんさん、そうなんですよ。飼い鳥なのに自然の成り行きなんですよ。
そこがまた、観察してると面白いです。
籠は鳥飼いさんに解説しますと
ホーエイ465です(たぶん^^;)。理想は二羽ですが、産卵防止をかねて
三羽入れました。結果。「自然の成り行き」になりましたが、後日談は
(つづき)にて←おいっ。絶賛引き伸ばし中(っていうか、この先、まだ書いてません(汗))
あえて3羽にするという、飼い方なんですよね?なんだか、あしたのジョーで、鑑別所に放り込まれた丈が、西を脅してる光景を連想してしまいました。
その後も3羽、同居させてることを仰っていたけど、仲良く暮らしてるのか興味尽きませんw