15歳の君
- カテゴリ:日記
- 2013/01/05 19:30:06
神戸の実家に帰省したとき
納戸に古い文庫本を見つけた
まだ実家で暮らしていたころ
中学から高校のときに読んでいた本の山
こんなところにしまってあったんだ、と手に取り
そのとんでもない量と怒涛のような内容に
ちょっと圧倒された
学生時代の私は、至って地味で
規則通りの制服をきて
銀縁の眼鏡をかけ
群れて行動することが好きでなかったから
なにかしら一人でいることが多く
憧れる人がいても
その人が同じ教室にいるというだけで満足で
視線すらまともに向けたこともないような
ま、そこそこ(いや、かなり)暗い生徒だった
が
読んでた本に関して言えば
無鉄砲で無節制で無軌道で奔放
母が納戸にしまいこむときにかなりシャッフルしてたから
無秩序ぶりもすごい
(母が小説には詳しくなかったのは幸い^^;;)
フィッツジェラルドの短編集の横にサルトル
スタインベックの上に志賀直也
筒井康孝と中原中也が並び
アンドレジイドの作品たちだけは
自分で装丁しなおし、原題をレタリングしてあったから
10冊ほどまとまって並んでる
カフカと安部公房は、しばらく悪夢でうなされた記憶がある
カミュもある ジャンコクトー
でも、フランソワーズサガンだってそろってる
透明のビニールカバーがかぶせられたスタンダールの“赤と黒”は
現国の先生がくれたものだ
「私のとても好きな本なの Mさんなら楽しめるんじゃないかな」
美術の先生のアトリエにもずいぶん入り浸ってたな
教師職だけじゃなく、画家としても本格的に活動していた人だった
未熟で早熟で
痛いほど真剣で不器用で
それこそ今の“若い人”かりゃ見りゃ
痛くて臭くてカッコ悪くてめんどくさくて
絶対友達にはしないタイプ、だろうなぁw
でも
すっかり世なれて、適当にはったりかまして
そこそこに生きてる私には
久しぶりに会った“15歳の君”に
ちょっと頭が上がらない気がしたよ