とあるオカメインコの自伝 その4~飼い主(1)~
- カテゴリ:自作小説
- 2012/12/15 20:31:57
「まるちゃん」そう名付けた背骨の湾曲のあるインコの飼い主になるー飼い主は、背骨の湾曲を気にすることはなかった。気になったのただ一つーこの時点で遺伝的にメス確定であることだった。
一般にショップのオカメインコの雌雄の判別は不可能といって過言でない。それができるのは、雛の両親の羽色から生まれた雛の色がある羽色であるのが判明した場合のみである。飼い主はあんまりメンデルの法則に精通してないが、里親さんはしっかり勉強している方だったので、「背骨に奇形 遺伝的にメス」とはっきり明言して里親を募集していた。
正直いえば、飼い主は「メスインコ」を望んでいなかった。卵づまりという状態でセキセイインコを何羽も落鳥させていたからだ。飼い主自体は卵を生ませる気はなかったので、オスを希望していたのが本音だ。
でも。
おそらく飼い主が見つからぬであろうその雛の紹介ページを食い入るように見ては、飼い主候補が現れていないのに安堵する日々であった。
それは一日で手元をすり抜けて天にいった雛への想いをひきずったものであったのは否定できない。ただ。すでに、二羽のオカメインコを飼っていた状態で同居家族の同意を得やすいタイミングに、よく知る友人ブリーダーのもとで生まれた雛の飼い主になるチャンスを逃したくなかったーこれも本音だった。
たくさんの迷いと迎えることができるかも知れぬ期待とともに、彼女はノンプロブリーダーに連絡をいれたのだった。
つづく
どうかなという気持ちも反面あるんです。
責任感じ過ぎて、ペットロスになる人も多いですし、実際、私も
それに近い状態になった過去がありますもんで^^ゞ
ブリーディングの段階で奇形や目指した羽色が中途半端な状態の雛が
出るのは宿命だったりします。
インコの限りませんが。私が信頼する友人であるノンプロブリーダーさんは
そういう雛の里親が見つからなくても、最終的には自分の所でしっかり
かわいがるーそういう方なんですよ。だからこそ。
次話の飼い主(2)をお楽しみに^^v