Nicotto Town


てらもっちの あれもっち、これもっち


すっきりんクロニクル第4章 NEWYORK 入浴

ニューヨークのホテルの一室。

彼女はバスタブに浸かりながら外を眺めている。
高層ビルの合間を雪が落ちていく。
窓についた雪は少したつと溶けて景色をぼやかす。

普段はシャワーで済ませる彼女だったが
明日以降の予定が全くない状況の中で
高級ホテルでのフルコースの食事と軽い睡眠の後、
ひさしぶりの入浴を楽しむ気分になったのだ。

一週間前のことを思い出す。

大西洋横断トンネルを抜けカナダに着いた彼女は駅に向かった。
長い戦争の影響で電気や燃料は大陸側でも不足していた。
電車やディーゼル車は止まっていたけれど、人力トロッコ列車がその日に出発する事が分かり、すぐに乗車手続きをした。

人力トロッコ列車での旅は快調だった。自転車のような駆動装置を交替で漕ぐのは疲れたけれど、休憩時間に乗客の人達とする会話は楽しかった。

4日後。
列車はニューヨークのグランド・セントラル ステーションに到着した。

ホームに降りた彼女の前に一人の黒いフリックコートで正装した男が現れた。
彼女がウズマキ国女王で大金持ちの時代に投資し、今もオーナーである高級ホテルがニューヨークにある。
そのホテルの支配人だった。
ロールスロイス ファントムXIIで彼女をホテルまで送り、スイートルームに案内した。

「お食事、ご宿泊。全てオーナーへの感謝の気持ちとさせてください。」

支配人は一礼してドアをゆっくりと閉め去っていった。しばらくするとルームサービスでフルコースのディナーが運ばれてきた。

彼女は食事をし、ベッドで眠り、そして入浴した。

雪は降り続いている。
ニューヨークの摩天楼の間に雪の中を行き交う自転車や人々が見える。

一人でいると考えてしまう。

これまで。これから。

自分。世界。生きる事。死ぬ事。

本当の自分とは何か。
本当の気持ちとは何なのか。

自分の嫌いなところ。好きなところ。
嫌いな事。好きな事。

仕事。旅。
孤独。仲間。

感情。気分。
表現すること。

雪のニューヨークを少し歩き、手紙や文章でも書くかな。
あとで、このホテルに1週間くらい滞在することを支配人に告げよう。

そんなことを思いながら広いバスタブで身体を延ばす。

長い旅の合間。
世界の果てを目指して。


アバター
2012/12/19 00:02
そうですね。
旅のはざまのリフレッシュ休暇的な感じですね。

旅はのんびり行きたいものです。

さて、さて。これからイギリスに出張です。

てらもっち@羽田国際ターミナル
アバター
2012/12/18 10:12
つかの間の安らぎ・・・かな?
心も体もリフレッシュして、いざ!?(●´∀`●)




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