Nicotto Town


ぺんぎんうどん


トナカイの日々

サンタクロースの休日

パートナーのトナカイをご紹介♪
  • 名前:aki

    性別:おとこのこ

    称号:スターの
    トナカイくん

    レベル:16

    配達数:7,172個

  • 名前:megu

    性別:おんなのこ

    称号:国で一番の
    おてんば

    レベル:22

    配達数:12,821個

  • 名前:haji

    性別:おとこのこ

    称号:トナカイ界の
    秀才

    レベル:19

    配達数:9,680個

前回の続きにゃ


★☆



三匹の母仔は、今夜も夜中空を駆けプレゼントを配ります。

お母さんの megu は自分が夜家を出た後、
二匹の息子がこっそり仕事に出ていく事に気付いていたけれど、
一生懸命自分にばれないよう内緒にしているので
気付いていないフリをしています。

長男と次男は、自分たちが眠ったフリをしている時に
気付かれないようにこっそり夜のアルバイトに出ているのを
朝まで気付かないフリをしています。

皆、それぞれが誰のために、何のために働いているのか、
知っていたからです。
だけどある晩長男 haji は気付いてしまいました。

プレゼントの中身が送られる家によって違うのです。

お金持ちの家の子供には高価なゲーム機や
高級なブランドの服なのに、
貧しい家の子供たちには
ノートや色鉛筆ばかりなのです。

「何でだろう? 皆同じ子供なのに」

haji は不思議に思って、ぎっくり腰で寝ている雇い主のサンタさんに聞いてみました。


「それはね……」

サンタさんは少しだけ悲しそうな目を向けて教えてくれました。

「貧しい家の子供に高価な玩具や服をあげても、
 着て行く場所もなければ、玩具を動かす電池を買う事ができないんだよ。
 だから高価な贈り物は両親の手で闇市に流されて
 お腹を満たすための小麦粉や牛乳に代わってしまうんだ」

「でも、食べる物に代わるのなら
 結局子供たちの為になる事なんだからいいんじゃないんですか?
 お金持ちの子供はこんなゲーム機や服なんて幾らでもとっくに持ってるし、
 毎日おいしい物をたくさん食べているんだから」

「だけどそれでは平等にならないんだよ。
 いいかい? よくお聞き、賢いトナカイの仔よ。
 このプレゼントは人間が払っている税金で買っているのだよ。
 お金持ちの家はたくさん税金を払うから、
 それに見合ったプレゼントを用意しなきゃいけない。
 だけど貧しい家の親たちは税金を少ししか払えない。
 
 この社会は税金のおかげで暮らしていけるようになっているのだから
 税金を払っていない家の子供に豊かな家の子供と同じ物を送っていては平等にならないのだよ」

haji はサンタさんがあんまりにも哀しそうに、だけど一生懸命話してくれるので何も言えなくなってしまいました。
肩を落として、「わかりました」と答えて部屋を出ます。

「君にはまだ難しい話かもしれないが、いずれ解る時が来るよ……」

サンタさんは haji の背中に言葉をかけて、布団の中で一滴涙を零しました。

「僕には確かにまだ難しい問題だけど、
 そんなの本当に平等じゃないような気がするよ。
 そんな大人の問題、解らないままでいいよ……」

けれど haji はその帰り道に『大人の事情』を知る事になるのでした。

サンタさんの部屋を出ても家に帰る気になれず、独り夜の街をぶらぶらとしていると、
仕事帰りの先輩トナカイに声をかけられました。

「どうした? 子供は早く帰らないと寝る時間がなくなるぞ」

初めての慣れないアルバイトに手際が悪かった兄弟を、
根気強く教えてくれた優しい先輩でした。
haji は自分が抱えてしまった疑問と、
サンタさんから教えてもらった答えが納得できないのだと言いました。

「大人の事情で子供たちに区別をつけるなんて、間違ってると思うんだ」

先輩は「ふう」とタバコをくゆらして煙を暗い空に吐き出しながら口を開きます。

「そんなの人間の子供の事だけじゃないんだぜ。
 サンタにも俺たちにもそういう区別はあるんだ。
 だけど世の中ってのはそういう区別が上手に成り立って
 うまく回っていくって事もあるんだ」

「でも」

「お前にはまだ早い話だろうけど、一端に働いているトナカイになっちまったんだ。
 知っておいてもいい事かもしれないな……」

先輩トナカイは遠くの街並みを眺めながら、また溜息を吐きました。

「サンタには二種類のサンタがあるんだ。
 ひとつは上流階級のサンタ。こいつらは公務員で、国に雇ってもらってる。
 俺たちがプレゼントを配る下町になんか来やしない。
 王族や貴族の家にだけプレゼントを配るのさ。
 だけどそれじゃプレゼントを貰えない下級の家の連中が文句を言う。
 労働者がストライキを起こして安くこき使うことが出来なくなる。
 だから建前上、全部の子供にプレゼントを贈らなきゃいけない。
 そういう役目をするのが、俺たちの雇い主サンタのような、下請けサンタさ。
 公務員サンタは血統書のついたトナカイを雇うけれど、
 下請けサンタは俺たちのような血統の無いサンタしか雇えない。
 でもまぁ、そんなんでも仕事にありつけただけ、俺にとってはラッキーな事さ」

haji にはとても難しい話になってしまって半分も理解できなかったけれど
とても大切な話をされている事だけは解ったので真剣に聞いています。

「金のある奴らは上級に居座って、いつまでも自分たちの栄華が続くように
 世の中を上手に操りやがる。
 だから貧しい家はいつまでも貧しいままだ。
 だけどな、貧しくても学校に行って勉強をすることも、
 大人になって家庭を持つこともできる。
 それも全部、上流の奴らがたくさん税金を払って世の中を整えてくれてるからさ。
 慈善事業とか言うヤツも居るけどそれでも生きていけるんだ。
 それはそれで悪い世の中でも無いと思うぜ」

「僕、知りませんでした。世の中がそんな区別で溢れてるなんて」

「お前、長男だろ? だから気付かなかったんだろう」

「そういう物なんですか?」

「そうさ。お前の服は母ちゃんが新しい布で作ってくれるものだ。
 ランドセルも笛も全部、お前の為に買ってもらった新品だろう?
 だからぱっと見には中流程度の仔トナカイに見えるさ。
 そういう仔トナカイは学校でも区別されたりしないからな。
 でもお前の弟は、服も学校の道具も全部お前のお下がりを貰うんだろう。
 来年小トナカイ学校に入る予定だったな。
 入学式の服も新調してもらってないんじゃないか?」

「はい。僕が昔来たスーツを着るんだって、丈を合わせてました」

「上流の連中は、そういうのに目ざといからな。
 クラスの中は上流と下流に分かれて、
 同じクラスメイトなのに、奴らから下流扱いを受ける事になるだろうな」

それは、haji にも思い当る事がありました。
狭い教室の中で、上流の家の仔トナカイ達はいつも、
破けて当て布をしている服を着ていたり、上の兄弟からのお下がりを使っている仔たちを
集団でからかったり、トイレ掃除や嫌な仕事を押し付けたりします。
haji はその真ん中で、何であんな事をするんだろう、といつも思っていたのでした。

「なぁ、haji この給料で弟に新しい入学スーツとランドセルを買ってやれよ。
 最初ってのは肝心なんだ。
 最初の印象で、バカなガキ共はターゲットを決めるからな」

「でも、このお金は……」

黙ってしまった haji をちらりと見て先輩は

「なぁ、もしお前にやる気があるんなら、もうひとつ仕事を紹介しないでもないぜ?」

「え?」

「こんな季節限定の仕事だけじゃ金なんて貯まらないだろう?
 弟が入学したらその次の年には今度はお前が中トナカイ学校に進学だ。
 これからもっと物入りになるぞ?
 季節なんて関係なくて、もっと割のいい仕事があるんだ。どうだ?」

先輩の目が haji の顔に向かいキラリと光るのを見て、haji はごくりと唾を呑みこみました。

「やってみます。紹介してください」

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2012/12/11 10:29
キャハハw なんか大笑いしちゃった♪
最初あんなに可愛く始まったトナカイ物語がなんでこう世知辛く・・・・w
やっぱ選挙なんかの影響でしょうかねぇ~!
う~んw これってある意味、ワルノリですよねぇ!
ものすごーく現実的な世界で生きてる下請けサンタと新米トナカイ、
これから一体どこへ行くんだろーーー♪
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2012/12/10 23:35
>ねこまんまさん

楽しんでいただける内容になっていくのかどうか…(^_^;)
あんまりよろしくない展開になっていくので、どうか期待しないでー><
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2012/12/10 23:34
>パルカさん

ご期待に沿えるものが書けるとは思いませんが(^_^;)
コメント頂くのに差し障るのある内容になってきたら
コメント閉じますので、大丈夫です~^^

トナカイさんのレベルはお話の展開に合わせて操作してますw
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2012/12/10 23:32
>かいじんさん

試みたわけではないのだけど、
何となくこうなっちゃいました(^_^;)
いや、普段からこんな事ばっかり考えてるワケじゃないですよ!w
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2012/12/10 23:31
>まゆさん

まさかトナカイでこういう展開になるとはあたしも思ってなかったです^^;
でもキャラクター作った時に、ぱぱぱーって浮かんできたので、
気が済むまで書こうかなーと思っております~
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2012/12/10 23:30
>やあさん

ごめんね^^;
辛くなってきたら読むのやめてね><
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2012/12/10 23:29
>みいこさん

まぁ、ものすごく貧しい、て設定ですので^^;
産業革命の頃のイギリスを連想していただけるといいかも。
もしくは戦中の日本?
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2012/12/10 23:27
>カボスさん

先輩の紹介してくれる仕事は……
可愛いお金持ちそうな女の子に声をかけて……
ではない事だけは確かです^^;
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2012/12/10 23:26
>まぅまぅ

まぅまぅは夜更かしさんなんだから、
寝られる時にはちゃんと寝るのが優先なのだよ~
面白い話には絶対ならないからむしろ無視していいから(ヲィ)
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2012/12/10 23:25
>スイーツマンさん

いや、あたしはあんまり息子に読み聞かせは…(ゲフンゲフン)
子守唄もあんまり…(^_^;)

トナカイがネタになるとは思ってもいませんでしたww
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2012/12/10 23:24
>クマゴウさん

皆色々迷いながら大人になっていくのだ、
という事で^^;
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2012/12/10 22:51
だんだん、ドラマチックになっていきますね・・・
続きが楽しみです^^
アバター
2012/12/10 21:53
長文お疲れ様。
感想を書くのも失礼かと思い書きませんが、続きを期待しています。

トナカイさんのレベルがまちまちですね。最初の設定の影響でしょうけど。
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2012/12/10 21:40
童話調でここまで社会の現実に触れて行くと言う試みがすごい@@
アバター
2012/12/10 21:00
ああ……世知辛い方向へ……^^

でも、良い子ぶった童話より、先が読めない分、わくわく感があって楽しいです!
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2012/12/10 18:48
ううう・・・。
ちょっと切ない・・・(;_:)
アバター
2012/12/10 15:16
むずかしいですよね、公平と平等と区別・・・。

私はいちおう長女だけど、妹は私とおなじものをサイズちがいで
買ってもらってたような・・・。

そりゃおさがりばっかじゃ文句も言いますわな~。
アバター
2012/12/10 15:03
先輩の紹介してくれる仕事って????

気になるーーーーーーーーーー。><
アバター
2012/12/10 03:26
あぁぁ・・・
途中まで読んだけど眠くなっちゃったので
(いや、文章がってことじゃなくて時間的にw)
続きはwebで♪
(いやいや、続きは明日・・・いやいやいや今日だけど、寝て起きてから・・・)
ほんじゃおやすみぃぃ☆
アバター
2012/12/10 00:19
すっかりトナカイ物語に夢中
息子さんに読み聞かせをなさる、ちょみさんを想像しました
アバター
2012/12/09 23:31
(できることなら、そうでありたいけど)

人間、綺麗なままじゃ生きられない・・・

そう思っています。(´-`)
アバター
2012/12/09 23:17
>となりこさん

あぁ、そういう感じです。
>>この子に贅沢を教えないで

せっかくのクリスマス物語なので、とことん重くいきます~
ウヘヘ…(^_^;)
アバター
2012/12/09 23:10
第2話、ぐっと重みが・・・続きが気になります(^^;

以前テレビで途上国のボランティアに行った方が話していたのですが
「子供にガムを1枚、あげようとしたら先輩ボランティアに止められました。
”この子に贅沢を教えないで。この子の親はガムを買ってあげるだけの収入がないんです”と・・・」
今回のお話を読んでふと思い出しました。
アバター
2012/12/09 23:03
>オーヴァンさん

ウヘヘ…(^_^;)
アバター
2012/12/09 23:01
悪い道に踏み込んじゃうのかな??
アバター
2012/12/09 22:58
次男って、幼稚園年長くらいの設定なのに働いてるんだな(^_^;)
まぁトナカイだからいっか…



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