Nicotto Town



「ゆいちゃんとお菓子の家」

「なんだろう。いいにおい・・・」

ある晴れた日曜日、ゆいちゃんが、まみちゃんの家に向かっていると、どこからともなく、甘~いお菓子の香りが漂ってきました。

「この辺にケーキ屋さんなんかあったかな~?」
もしかしたら、新しく出来たのかもしれない、と思いながら、香りのする方に足を進めます。

甘い香りは、どうやら町外れの森の中から漂ってくるようでした。
「こんなところでお客さんなんて来るのかな?」
不思議に思いながら、細道を進むゆいちゃん。
やがて目の前に・・・

「お菓子の家だっ!」
そこには、小さなお菓子の家が建っていました。

「誰が住んでいるんだろう?やっぱり魔女の人なのかな~」
そんなお話を読んだことがありました。
「でも、魔女なんて現実にいるわけないよね。ごめんくださ~い」
・・・
返事はありません。

「留守なのかな~」
ドアノブを回すと、どうやら鍵はかかっていないようです。
「ちょっとくらいならいいよね。お邪魔しま~す」
おそるおそる中に入ってみます。

お部屋の中もやっぱりお菓子で出来ていました。
窓も、本棚も、テーブルも、みーんなおかしです。
さらには、テーブルの上には、美味しそうなケーキまで乗っていました。

「美味しそう・・・」
食いしん坊のゆいちゃんは、我慢できずに、ケーキに手を伸ばします。
その時

「きゃーっ!」
突然ケーキが悲鳴を上げました。
ゆいちゃんは驚いてケーキを見つめます。

「なんだっ!」
「どうしたっ!」
「なんだこいつはっ!」

いつの間にかゆいちゃんの周りを、たくさんのケーキ達が取り囲んでいます。

「この人、わたしを食べようとしたのよっ」
ゆいちゃんの手の中のケーキが言います。
「なんだと」
「ケーキを食べるなんて、恐ろしいやつだ」
「ひどいっ」
ケーキ達が口々にゆいちゃんをののしります。

「だ、だって、ケーキは食べ物でしょ」
抗議するゆいちゃんですが
「なんてことを言うんだっ」
「ケーキが食べ物の訳ないだろう」
「こいつはきっと、悪い魔女に違いないっ」
「そうだっ」
「みんなでやっつけてしまおうっ」

ケーキ達が、一斉にゆいちゃんに襲いかかります。
「きゃ~~~~っ」


・・・・・・・・・・・・

「いっ!ゆいっ!いい加減に起きなさいよっ!」
「・・・ん?・・・まみちゃん?」
見上げると、まみちゃんがあきれた顔で見つめていました。
「全くあんたは・・・よくひとんちで平気で寝られるわね」

テーブルの上には、ノートと教科書が広げっぱなし。
どうやら、二人でお勉強をしていて眠ってしまったようです。
そして、漂う甘い香りに、びくっ、として見回すと、隅の方に、ケーキがふたつ、おいてありました。
じーっと見つめていると
「あはは。さすが食いしん坊ゆいね。さ、甘い物食べて頭をしゃきっとさせたら、もうひと頑張りしよ」

でも・・・
目の前にケーキを差し出されても、少し食べるのをためらってしまうゆいちゃんでした。



お・わ・り

アバター
2012/12/02 14:57
ケーキがグラビアアイドルの形してたら ためらっちゃう

(ためらいませんの意味)w
アバター
2012/12/02 14:16
こんにちわ^^
わい^^
すご〜く楽しいお話でした!! そっか、シリーズなんですね。。たにしみにまってます^o^
アバター
2012/12/02 12:23
オチ付でとっても面白かったです^^

STPをどうぞー♪
アバター
2012/12/02 12:17
久しぶりの「まみゆい」シリーズ。

夢落ちです。

ま、たまにはこんなのも良いかな~、と思って書いてみました。

(#^.^#)



月別アーカイブ

2025

2024

2023

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011


Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.